「先延ばしが健康に影響を与える」可能性について、最新の研究結果
Procrastinating May Have Actual Health Impacts: Study
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<先延ばしが日常生活の混乱のもとであることは間違いないが、健康にも実際に悪影響を与える可能性に関する研究が発表された。しかし、自分で克服する方法もある>
そもそも先延ばしとは、結果的に不利益を被ることがあらかじめわかっていても、行動を意図的かつ自発的に遅らせる行為のことを指す。それでもやめられないのが先延ばしだ。
先延ばしが日々の生活やスケジュールの混乱のもとであることは間違いないが、実際に健康に影響を与える可能性についての研究が発表された。
これまでの研究によると、先延ばしと健康に関連する証拠はないとされてきた。しかし、大学生を対象とした最新研究では、心身の健康と先延ばしに相関関係がみられたという。
スウェーデンの8つの機関が3525名の大学生を対象に「先延ばしスコア」を自己報告でつけてもらい、9カ月後にフォローアップ調査を行った。そのデータを分析したところ、「先延ばしスコア」の高い人は、健康上の問題を報告する例が多く見られたという。
「このコホート研究(要因対照研究)は、先延ばしがメンタルの問題、不健康なライフスタイルなど、心理社会的な健康要因と相関関係がある」と研究者は指摘している。
具体的には、うつ病、不安障害、ストレス症状の悪化、睡眠の質の低下、身体活動の低下、また身体の「痛みの無痛化」なども見られた。さらには経済的困難に直面する人が多く、孤独感の増加などの影響も見られたという。
先延ばしが直接的な問題を引き起こしているという因果関係までは証明されていないが、「慢性的な先延ばし」が間接的または潜在的に健康へ悪影響を与えていることが示されたという。
ストックホルムのソフィアヘメット大学のフレッド・ヨハンソン主任研究員は、先延ばしする傾向にある人は、ストレスを回避するための運動など、ウェルネス行動の着手が遅れる傾向にあることからも、健康への影響の背景を説明できると述べる。
特に大学生は「自由」をスケジュールに組み込む社会構造にいないことから、先延ばししやすいと指摘する。2007年の研究分析によると、大学生の80~95%が「定期的に」先延ばしをしていることが報告されている。