「ロシアが戦争を始めた理由」を説明できますか? 教養としての「ニュースを読み解く力」とは
すべてのテーマはみなさんの生活や将来に深く関係します。どれもが少しはインターネットやテレビのニュースで見たり、聞いたりしたことがあるような話題です。
ロボットが進歩したら人間の仕事はなくなるのか? 会社に入ったからといって、ずっと雇ってはもらえなくなるのか? 年金はもらえなくなるのか?
そうした初歩的なことから「なぜ」と考え直してみると、みなさんの未来の見えかたが変わってくるはずです。
はじめから読んでもいいですし、もくじを見て気になるところから読んでみてもいいでしょう。登場人物たちのおしゃべりを読んだ後なら、脚注やコラムもよく理解できるでしょうから、あわせて読んでみてください。
もちろん、なぜそうなっているのかを理解し、考えるには知識が必要です。ですから、この本は知識を身につけることも大いに応援しています。
たとえば、なぜ、ロシアがウクライナに攻め込んだのか? ウクライナはなぜあれほど必死なのか? ヨーロッパはなぜ一国単位でなく、みんな(EU)でまとまって対応しようとしているのか?
本書で取り上げているこうしたいまのできごとは、歴史の教科書に出てくる第一次世界大戦や第二次世界大戦とつなげて考えると、これまでとは違う景色が浮かび上がるでしょう。つまり、いままで身につけた知識が新たな学びに生かされるのです。
そして同時に、大人はみんな知っています。いま当たり前だと思われている知識が、意外とあっけなく、当たり前でなくなることを。「えっ」とおどろくかもしれません。しかし、それが世界の真理です。
みなさんの身近な話ですと、「運動するときには水を飲むな」と、かつて学校の先生はいっていました。しかし、いま、そんな指導をしたら虐待で訴えられます。当たり前とはそのようなものなのです。
ただ、もし世のなかの「当たり前」が変わったとしても、物事と向き合って考える力をみなさんからうばうことはできません。みなさんが18歳になっても40歳になっても80歳になっても、考える力は味方してくれます。考える力を身につけていれば生きていけます。
私たちの身のまわりでなにが起きていて、それがなぜそうなっているのか? これからどうなりそうか? それでは、さっそく一緒に考えていきましょう。
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栗下直也 (著)/ニューズウィーク日本版編集部 (編集)
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