「ロシアが戦争を始めた理由」を説明できますか? 教養としての「ニュースを読み解く力」とは
勉強はずっと続けていこう
そして、いま、誰もがつねに勉強しなければいけないのは、世界がものすごいスピードで変わっているからです。
インターネットなど通信技術の発達もあって、情報はすぐに世界中に知れわたります。一生懸命に考えたしくみでもすぐに通用しなくなるんですね。だから、つねに考えていなければならないのです。
もちろん、考え続けるのは大変です。「なぜこんなふうになっているのか?」と問いを立て、その問いを追究し続けるのは疲れることですから。
かつて日本には、いまほど深く考えなくても生きていける時代が、たしかにありました。30年ほど前までは「よくわからないけれども、なんとなくこうすれば生きていける」という生きかたが、たしかに存在しました。一流といわれる大学に進学し、大きな会社に就職すれば、車を買い、家を買い、ぜいたくしなければ老後までそのまま生きていけました。
ところが、いま、そのような人生モデルは崩壊しています。この本のなかでもくわしく説明しますが、大学を出て、大きな会社に入っても、それで安心というわけではないのです。
大きな会社であっても、倒産したり、他の会社に買われたりする時代です。老後どころか、就職した会社が5年後にどうなっているかがわからないような時代です。
いま、日本の社会のあらゆる面で問題が起きているのは、しくみが変わっているのに多くの人が根拠なく「大丈夫だろ」と昔の感覚のまま働いているせいでもあります。
自分で決断できる大人になるために勉強しよう
最近は「グレートリセットの時代」ともいわれています。従来の価値観がリセットされてイチからやり直さなければいけない時代である、という意味です。
これはみなさんにとっては大変な時代を意味します。価値観がリセットされれば、いままで正解と思われてきたものが正解でなくなるかもしれないからです。昔は良いとされた価値観と新しい価値観が入り交じった混乱状態がいまともいえます。
こうした時代で頼りになるのは「生き抜く力」であるということを忘れないでください。
生き抜く力とは、自分で考えて決める力です。なんの疑問もなくいわれたことに従うのではありません。自分で考えて決めるのです。そして、物事を判断するためには、社会がなぜそうなっているかを考えなければいけません。つまり、勉強が重要になります。
この本ではみなさんがこれからの時代を生き抜くために考えて欲しいテーマを20取り上げました。