iPhoneが高すぎて買えない日本、30年でなぜこれほど貧しくなったのか?
タナカ いや、でもさ、iPhone、マジ高いよな。2万円も上がるなんて[※3]、デフレ、マジやばいっしょ。
うめ タナカくんまでなにいってんのよ、そもそも、物価が上がるのはインフレよ......。
不景気が続いた「失われた30年」
タナカ えっ、そうなんですか? でも、日本はずっとデフレだったんでしょ? デフレだから不景気で給料が上がらないってニュースでいってたよ。
うめ それは間違ってもいないけれど、正しくもないわ。デフレと不景気は「ニワトリと卵」の関係なのよ。
タナカ ニワトリと卵??
彦 どっちが先かわからないってことだよ。タナカはほんとうに国語がだめだな。
うめ そう。不景気だからデフレになるともいえるし、デフレがひどくなるのは不景気の結果だからともいえるのよ。たとえば、野菜が売れなかったら彦ならどうする?
彦 値引きするかな。
うめ そうでしょうね。八百屋も大企業も同じよ。モノが売れなければ、企業は値段を下げてそれを売るの。
モノの値段(物価)が下がれば、売り上げが減る。だからそこから配る給料も下がるわよね。そうすると、働いている人は前よりもお金がなくなるから、モノを買えなくなる。みんながモノを買わなくなり、モノが売れなくなれば、会社は新しいモノをつくろうとしない。モノをつくるのに必要な機械や設備も新しく買わなくなる。
これがぐるぐる何周もして、モノの値段が上がらずに、給料が下がり続けている。それが日本のいまよ。
タナカ つまり企業が儲からないから給料を払えない。結果としてみんなモノを買わなくなる。そうすると、さらに企業は儲からなくなって......。
彦 でもさ、それなら、買ってもらえるモノをつくればいいじゃん。新しく開発したり、仕入れたりしてさ。八百屋だって『パプリカ』の歌が流行ったらパプリカを仕入れるからね。
うめ そうなのよね。でも、日本はそれができなかったの。できないまま経済が低迷した期間を「失われた30年」と呼んでいるわ。
タナカ弟 30年って、おれ、まだ23歳なんですけど、おれが生まれてから日本がずっとダメダメだったと聞くと悲しくなるよね。