最新記事

教育

iPhoneが高すぎて買えない日本、30年でなぜこれほど貧しくなったのか?

2022年12月10日(土)09時01分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


タナカ いや、でもさ、iPhone、マジ高いよな。2万円も上がるなんて[※3]、デフレ、マジやばいっしょ。

うめ タナカくんまでなにいってんのよ、そもそも、物価が上がるのはインフレよ......。

不景気が続いた「失われた30年」

タナカ えっ、そうなんですか? でも、日本はずっとデフレだったんでしょ? デフレだから不景気で給料が上がらないってニュースでいってたよ。

うめ それは間違ってもいないけれど、正しくもないわ。デフレと不景気は「ニワトリと卵」の関係なのよ。

タナカ ニワトリと卵??

 どっちが先かわからないってことだよ。タナカはほんとうに国語がだめだな。

うめ そう。不景気だからデフレになるともいえるし、デフレがひどくなるのは不景気の結果だからともいえるのよ。たとえば、野菜が売れなかったら彦ならどうする?

 値引きするかな。

うめ そうでしょうね。八百屋も大企業も同じよ。モノが売れなければ、企業は値段を下げてそれを売るの。

モノの値段(物価)が下がれば、売り上げが減る。だからそこから配る給料も下がるわよね。そうすると、働いている人は前よりもお金がなくなるから、モノを買えなくなる。みんながモノを買わなくなり、モノが売れなくなれば、会社は新しいモノをつくろうとしない。モノをつくるのに必要な機械や設備も新しく買わなくなる。

これがぐるぐる何周もして、モノの値段が上がらずに、給料が下がり続けている。それが日本のいまよ。

タナカ つまり企業が儲からないから給料を払えない。結果としてみんなモノを買わなくなる。そうすると、さらに企業は儲からなくなって......。

 でもさ、それなら、買ってもらえるモノをつくればいいじゃん。新しく開発したり、仕入れたりしてさ。八百屋だって『パプリカ』の歌が流行ったらパプリカを仕入れるからね。

うめ そうなのよね。でも、日本はそれができなかったの。できないまま経済が低迷した期間を「失われた30年」と呼んでいるわ。

タナカ弟 30年って、おれ、まだ23歳なんですけど、おれが生まれてから日本がずっとダメダメだったと聞くと悲しくなるよね。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 6
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中