最新記事

自己啓発

グーグルが「圧倒的に重要」と評価 生産性の高い組織で交わされる「あいさつ」の条件

2022年8月22日(月)17時00分
原田将嗣(プロコーチ、ZENTech シニアコンサルタント) *PRESIDENT Onlineからの転載

心理的安全性が確保されていると、ミスの報告のように話しにくいことでも素早く情報共有ができたり、新しいことへの挑戦が増えたり、働くことで満足感や充足感に満たされるようになります。すると個々人の仕事の質は上がり、チームとしての学習が促進され、結果的にチーム全体の成果も向上していく、というわけです。

この、成果や生産性につながるという心理的安全性。よく「仲が良いってこと?」と捉えられがちですが、その本当のところはどうなのでしょうか? もちろん、仲が悪いことが生産性に悪影響を及ぼすことは明らかでしょう。けれども、心理的安全性は、単にチームメンバーの仲が良いということでもありません。仲が良すぎる状態で、現状の人間関係を維持することが優先され、言うべきことが言えない場合も成果は上がりません。

心理的安全性が高いチームとは、仲が「悪すぎる」でも「良すぎる」でもなく、目指すゴールや成果のために「健全な意見の衝突」が起こせるチームです。

心理的安全性の高い組織の共通点とは......

「心理的安全性が大事なのはわかりました。でも、何から手をつければいいのでしょう?」

最近はそんな声を数多くいただくのですが、まずは、職場で使う言葉から変えましょうというのが、一番シンプルで効果的な始め方です。本稿では、日本の職場でよくある場面を厳選し、「言葉」という媒体を通して心理的安全性を高めていく手法をお伝えします。

そのとき鍵になるのが「心理的安全性をつくる4つの因子」です。

私がシニアコンサルタントを務めるZENTechは、日本の組織文化・働き方・職場環境に合わせた「日本版・心理的安全性」づくりに取り組んできました。独自のサーベイシステムSAFETYZONEを開発し、日本の組織を6000チーム以上も計測。検証を重ねたところ、心理的安全性を高めるために重要な因子(要素)を見出しました。

組織力を向上させる「声がけ」の4つのポイント

それが「話しやすさ」「助け合い」「挑戦」「新奇歓迎」の4つの因子です。それぞれについてご説明します。

●「話しやすさ」因子...私は違う意見があるのですが!
雑談を含め、情報共有が頻繁に行われる環境はもちろん大切です。「話しやすさ」因子では、そのような情報共有の「量」に加えて「質」も大切です。
例えばあえての反対意見や、従来のサービスがうまくいっていない兆候など、あなたのチームは、「言いにくいけれど、仕事を前に進めるうえで大切なこと」「不都合だけど、しかし必要な真実」が発言され、共有され、それが歓迎される環境でしょうか?

●「助け合い」因子...困ったことが起きました! 教えてくれてありがとう!
チームワークの根本となる因子で、お互いに助け合える環境のことです。日常的にリーダーや同僚と相談ができ、ミスやトラブルがあったとき、失敗した個人を責めるのではなく、解決・改善に向けて建設的な対話ができる状態です。
特に、あなたがリーダーや先輩の立場であれば、「知らないことをメンバー・後輩に率直に聞いたり、フラットに助けを求めることができるか?」をふりかえってみてください。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中