最新記事

ヘルス

「タンパク質ダイエットには腸活が欠かせない」 順天堂大・小林教授が毎朝実践する4つの習慣

2022年7月2日(土)18時20分
小林弘幸(順天堂大学医学部教授) *PRESIDENT Onlineからの転載

腸は副交感神経が優位な時に活発に働くため、より腸が元気になって代謝のいいやせやすい体を手に入れる好循環を生むことができます。また、みそには抗酸化作用による生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症など)予防やアンチエイジング効果が期待できます。さらに精神の安定をサポートする幸福ホルモン「セロトニン」の分泌を促したり、慢性疲労を回復したりと、非常に多くの健康効果をもたらしてくれることもわかっています。

ダイエットだけでなく、心身の健康もサポートしてくれる「長生きみそ汁」をぜひ習慣にしてみてください。

食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類がある

便秘はダイエットや美肌の天敵です。便秘に悩む患者さんの中に「野菜を一生懸命食べているのに、便秘が改善しない」という人がいますが、そういった方々にぜひ知っていただきたいことがあるのです。

じつは食物繊維の摂り方にはコツがあり、闇雲(やみくも)に取り入れればいいわけではありません。厚生労働省によると、食物繊維の定義は「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」とされています。胃や小腸で消化されない唯一の栄養素であり、大腸まで届くことで便通をサポートしてくれる貴重な存在です。

この食物繊維には種類があり、水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」の2つに分けることができます。それぞれに特徴や働きが異なるため、腸活ではその違いをふまえて摂ることが大切です。

便秘で悩んでいる人は不溶性の食物繊維の摂りすぎに注意

水溶性食物繊維は、水を含んでネバネバしたゲル状になり、便に水分を与えて柔らかくする働きを持っています。さらに小腸では糖質や脂質の過剰な吸収を抑えてくれる、ありがたい存在。一方、不溶性食物繊維は、水分や腸内細菌、剝がれた腸粘膜を吸収し、便のカサを増す働きがあります。そして腸内をゆっくりと移動しながら、腸を刺激してぜんどう運動を促します。

「お腹いっぱい食べても太らない医師が発案した たんぱく質ダイエット」どちらも腸の働きや便通に必要ですが、便秘で悩む人にはとくに便を柔らかくする水溶性食物繊維が必要になります。基本的に食物繊維を含む食べ物には、水溶性と不溶性の両方が含まれていますが、じつはほとんどが不溶性メインなので、何も考えずに食べていると、つい不溶性に偏ってしまいがちです。

しかし不溶性ばかりだと、便の水分が吸収されて、便はかえって硬くなる一方。便秘はさらに悪化してしまいます。前述の「野菜を一生懸命食べても便秘が改善しない」と悩んでいた患者さんも、無意識に不溶性食物繊維を多く含む食材ばかり摂っていた可能性があります。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米英首脳、両国間の投資拡大を歓迎 「特別な関係」の

ワールド

トランプ氏、パレスチナ国家承認巡り「英と見解相違」

ワールド

訂正-米政権、政治暴力やヘイトスピーチ規制の大統領

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 8
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中