水溶性食物繊維を多く含む食材は、昆布やわかめなど海藻類、なめこなどのきのこ類、麦類や豆類、りんごやキウイ、柑橘類などの果物、大根やごぼうなどの根菜類です。またインゲン豆、アボカド、納豆、オクラ、にんじん、プルーンなどもおすすめ。便秘解消のためには、これらの食材を意識的に摂るようにしましょう。

水溶性の食物繊維には腸内細菌を活発化させる働きも

そして水溶性食物繊維は、もうひとつ素晴らしい働きを持っています。腸内細菌のエサになって善玉菌など有用な細菌を元気にする働きがあるのです。

しかも一部の食物繊維は、腸内細菌の働きで発酵し、「短鎖脂肪酸」と呼ばれる酸(乳酸、酪酸、酢酸など)を生み出します。短鎖脂肪酸は、脂肪の吸収を抑える働きがあり、「やせ体質」になるために欠かせない物質です。

腸内細菌に短鎖脂肪酸をたくさん作ってもらうには、植物性たんぱく質を摂ること。納豆やみそ、甘酒などの発酵した植物性たんぱく質は、腸内細菌をダブルで喜ばせることができ、おすすめです。

こうした食物繊維の特徴や働きを把握して食材を選ぶことができれば、便秘を予防するだけでなく、善玉菌を増やして腸内環境を整え、さらにやせ体質に近づくことも可能になります。さあ、今日から食物繊維マスターを目指しましょう!

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)

順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。スポーツ庁参与。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した"腸のスペシャリスト"としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。

※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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どちらも腸の働きや便通に必要ですが、便秘で悩む人にはとくに便を柔らかくする水溶性食物繊維が必要になります。基本的に食物繊維を含む食べ物には、水溶性と不溶性の両方が含まれていますが、じつはほとんどが不溶性メインなので、何も考えずに食べていると、つい不溶性に偏ってしまいがちです。