CEOからの相談で多いのは「悪夢」──悪夢治療がよいリーダーシップを生む
How to Have Better Dreams
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<単なる「悪い夢」と「悪夢」は異なる。しかも、夢は抑圧された願望でも、何かの象徴でもない。夢と睡眠の質を改善する「悪夢治療」の4つのテクニック>
ビジネススクールで現役企業幹部向けの講座を担当していると、企業戦略よりも自分が見た悪夢について相談に来るCEOが少なくないことに驚かされる。精神が打ちのめされ、怖いニュースばかりを見せられていると、悪夢や不快な夢を見るのも無理はないのかもしれない。
心身の健康のために睡眠が重要であることは、リーダーたちの間でよく知られるようになっている。しかし、悪夢や不快な夢は睡眠の質を低下させる。幸い、悪夢を減らし、もっとよい夢を見るためにできることは、一般に思われているよりたくさんある。
ぼーっとしている時間に、あなたはどんなことを考えるだろうか。処理すべき課題のこと? それとも国際ニュース? あるいは、身の回りの人たちのこと? 過去の出来事? アートや音楽や文学について? いずれにせよ、それはあなたが夢で経験するテーマでもある。
あなたが見る夢である以上、その夢があなたの関心事や経験、脳裏に抱くイメージによって構成されるのは当然だ。夢は眠っている間に見るものなので、そうした要素がごちゃごちゃに入り交じり、とっぴな内容になることも多い。
夢は、抑圧された願望や欲求の反映などではないし、隠された意味があったり、何かを象徴していたりするわけでもない。夢が取るに足らないものだとか、なんの情報ももたらさないと言うつもりはないが、特定の夢を見ることが避けられないと決め付けるべきではないのだ。
夢は大きく3つの種類に分けられる。
■個人的な夢 私たちが見る夢の75~80%は、自分の日常の経験や関心事に関わるものだ。最近学んだばかりの、あるいはいま学びつつある新しい情報やスキルに関する夢を見ることも多い。学習のプロセスにおいて睡眠が大きな役割を果たしていることを考えると、この点は意外でない。
研究によると、眠りに就く前にコンピューターゲームをプレーすると、ゲームの世界と同様の夢を見ることが多いと分かっている。イタリアで新型コロナ関連の夢について調べた研究では、家族の死や病気などに関する夢より、コロナ禍で求められる新たな行動様式に関する夢を見るケースが多かったという。
■典型的な夢 高い所から落下したり、追い掛けられたり、性的な体験をしたり、金縛りにあったり、空中を飛んだり、歯が抜けたり......といった多くの人に共通する夢のこと。この種の夢には重要な意味が隠れていると思われがちだが、そうした夢を生み出すのは生物学的要因だ。