最新記事

自己啓発

マウンティングはどこまで我慢すべき? 名医が教える「絶対に付き合ってはいけない人の条件」

2022年5月23日(月)11時35分
小林弘幸(順天堂大学医学部教授) *PRESIDENT Onlineからの転載
男性上司に叱責される女性

SunnyVMD - iStockphoto


ビジネス上での人間関係はどこまで我慢するべきなのか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「その相手はコンディションを崩してまで付き合う価値のある、本当に大事にすべき存在なのか、自問してみるといい。自分にストレスを与えるべきではない」という――。

※本稿は、小林弘幸『気がついたら自律神経が整う「期待しない」健康法』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

他人へのジャッジは自律神経を乱しコンディションを下げる

上司、同僚、部下といった間柄に関係なく、自律神経を整える上で大切なことが二つあります。

一つは、「他人へのジャッジ(評価)を口にしない」ことです。

「あの人って使えないよなあ」「うちの上司はこういうところがダメなんだよ」と誰かをジャッジする言葉を口にすると、一時的なストレス発散にはなるでしょう。

誰かの悪口を言っている最中にスッキリした気分になれるのは、その間に脳内で快楽物質とも呼ばれるドーパミンが分泌され、交感神経が興奮状態になるからです。

身近な人間関係だけに限った話ではありません。

SNSで目にした事件や炎上案件にわざわざ自分から絡みにいき、「こんなバカいるの?」「不謹慎でありえない」「絶対に許せない」と誰かを叩き、裁いたつもりになっているときも同じです。交感神経が興奮状態になるため、バランスが著しく乱れ、その結果として自分のコンディションを下げていることに多くの人が気づいていません。

マウンティングしてくる人は非常に不安定

さらに、「マウンティング」も自律神経を整えるためには避けたい行動の一つです。

自慢や批判、嘲(あざけ)り、侮蔑は、他人をおとしめることで自分が優れていると思い込むための確認作業です。他人にやたらとおせっかいを焼いたり、アドバイスをしたがったりするのも、親切心ではなくマウンティングの一種である場合がほとんどでしょう。

何かとマウントを取りたがる人は、一見すると自信過剰なタイプに見えます。しかし、実際は「認められたいのに、認められない」という承認欲求をこじらせてしまい、不安定ゆえに攻撃的になっている状態にあるのです。

こうしたマウンティング合戦は、流動性が低く、抑圧されたコミュニティでよく見受けられます。

狭いコミュニティの中で少しでも優位に立って安心を得たい、優越感を得ることで不安を打ち消したい......。

自己肯定感が低く、不安な気持ちに駆られている人ほど、マウンティングや攻撃をしたがるものです。

この原則を覚えておくと、マウントを取られるような事態になっても「ああ、この人は不安で仕方ないんだな」と思えるため、さほど悩まずに済むでしょう。

悪口・愚痴はコスパが悪い

悪口や愚痴、マウンティングには依存性があります。

つまり、言えば言うほど、もっと言いたくなってしまうのです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、4日に多国間協議 平和維持部隊派遣

ビジネス

米国株式市場=まちまち、トランプ関税発表控え

ワールド

カナダ・メキシコ首脳が電話会談、米貿易措置への対抗

ワールド

米政権、軍事装備品の輸出規制緩和を計画=情報筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中