最新記事

対談

世界一のキッズYouTuber「SNSを自分ではやっていない」父親が語る教育論

2022年4月26日(火)19時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

neokosodatebook20220426kaji-3.jpg

シオン・カジ/福島県会津若松市出身。15歳のときに家族の仕事の都合で渡米。米・コーネル大学でサイエンスエンジニアリングの修士号を取得し、大学卒業後は建築家としてキャリアをスタート。ハイスクールで理科教師をしていたロアンと結婚し、ライアンが生まれる。2015年にYouTubeチャンネル開設後、急速に登録者、再生回数が伸びるのを見て建築事務所を退職。2017年にSunlight Entertainmentを設立し、代表を務める。現在では、アメリカ全国ネットのテレビ局で放送され、Huluでも配信されている番組に、エグゼクティブプロデューサーとしても関わっている。妻のロアン、息子のライアン、双子の娘、エマとケイトと共にハワイ州に暮らす。@RyansWorldJP

シオン マスメディアでは、自分の意図とは違うニュアンスで伝わってしまうこともあるので、そういうときに自分の言葉で発信できるSNSのようなプラットフォームを持っているのは重要なことだと思います。

これからの子どもたちは、ソーシャルネットワークやテクノロジーと一緒に生きていく世代。エンタメ業界に興味のない子どもであっても、ソーシャルネットワークやテクノロジーのスキルは重要になってきます。

今だと、企業のトップは自らSNSを使って発言をしていますよね。どの業界であっても、人をリードしていく人物は、自分の意志を自分のメディアで伝える力が必要になってくると思います。

草野 私の息子にはまだSNSをさせていませんが、ライアンくんはSNSを使っていますか?

シオン ライアンも自分で発信はしていません。これからの子どもたちはまず、SNSに触れる最初のステップとして、正しい情報の見極め方や誹謗中傷もあるということなどを学ばなければならないと考えているので、そこから始めているところです。

草野 我が家でもSNSトラブルのケーススタディーを話したり、リテラシーを高めるための教育をしっかりしているところです。おすすめの本は『学校では教えてくれない大切なこと ネットのルール』(旺文社)です。

内向型の子か、外向型の子か

シオン ライアンはユニークな子なので、娘たちが生まれていろいろな個性があるんだなと、やっと気づきました。子どもをよく見て、その子がどういう育て方が合っているのかを理解する必要があると分かりましたね。

草野 子どもによってタイプがまったく違うので、一人ひとりに合わせたアプローチが必要ですよね。タイプによってモチベーションの上げ方も、傷つくポイントもまったく異なります。対話をして、ヒアリングをして、良い上司のように向き合いたいと考えています。

シオン ライアンにとっては学校に通うことが重要でした。クラスには、ライアンが不得意なことを楽々とこなすような子がたくさんいます。そういう様々な才能を見つけることで、他の子をリスペクトできる考え方になりました。

アメリカでは、イントロバート(内向型)とエクストロバート(外向型)というタイプで言われることがあって、ライアンは人と話すことで自分も元気になれるエクストロバート。何千人、何万人の前で話すときでも緊張したことがないんです。

草野 まさに天職ですね。

親子で知的好奇心を伸ばす ネオ子育て
 草野絵美 著
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


90年生まれ、デジタルネイティブ世代の著者がまとめた、不確実性の高い現代の「新しい子育て論」。子どもが過集中している「フロー状態」を見極め、好き・得意を伸ばす方法とは。YouTubeやiPadアプリを使った勉強から、親自身のアップデート法まで解説する。長男は小学生NFTアーティストZombie Zoo Keeperとして話題。

【1章 対等な関係でレジリエンスを育てる】
フェアでオープンな親子
子どもに見せたい、親の背中
子どもは親とはまったくの別人
子どもは離島の存在
レジリエンスを育む褒め方
お金より正しい情報が味方

【2章  知的好奇心のアンテナを伸ばす】
親子で探す「ハマるもの」
知的好奇心のアンテナ
クリエイティブの扉
フロー状態の見つけ方
インターネットとの付き合い方
先回りしてキュレーション
ゲームで育つ能力
勉強したくなるはたらきかけ
ストレスレスな生活の導線
視野を広げる大人との出会い
反差別主義者に育てる方法
子どもとお金の付き合い方

【3章 親が人生を謳歌しアップデートし続ける】
親こそ、自己実現を目指す
パートナーはチームメイト
親だけで育てるマインドをリセット
親自身のアップデート方法
子どもの可能性は親の考え方次第

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中