最新記事

メタボから高血圧、糖尿病へまっしぐらに......毎日食べると早死にリスクが高まる「意外な食べ物」

2022年2月20日(日)14時08分
本間良子(スクエアクリニック院長) *PRESIDENT Onlineからの転載

3つ以上チェックがついた人は、いますぐ「小麦」をやめる食生活を強くおすすめします。パンや麺などの「小麦」を中心にした食生活は、あなたが思っているよりも健康に大きな影響をおよぼしているからです。

小麦の摂取過多が体調不良を引き起こす

「でも、私は小麦アレルギーがないから大丈夫」

そう思って、毎日小麦を食べている人はたくさんいます。いわゆる「小麦アレルギー」は、小麦を摂取すると体の各所でアレルギー反応を起こす症状です。たしかにあてはまる人は多くはありません。

しかし、私は「グルテン不耐症」の人は、日本にはたくさんいるのではないかと見ています。グルテン不耐症とは、小麦の消化・吸収がうまくいかず、体の中に炎症を引き起こしやすくなる症状のことです。「グルテン」は小麦のたんぱく質です。

グルテン不耐症には、生まれつきの遺伝的な要素も関係していますが、それよりも、小麦をたくさん摂りすぎているせいで、グルテンに敏感になってしまう人がたくさんいるのが現状です。つまり、知らず知らずのうちに、体が許容できる範囲を超えた小麦を食べてしまっている可能性があるのです。

では、小麦を食べると体の中でどのようなことが起こるのかを見ていきましょう。

危険にさらされる腸内環境

小麦のタンパク質「グルテン」は、分解されにくいという特徴があるので、腸の中にとどまります。そのうえ、腸の粘膜に「くさび」のように入り込んでしまいます。これは便としても出ないし、栄養としても吸収されません。すると、粘膜が炎症を起こし、体の不調や肥満などにつながります。

さらに、大きな問題があります。グルテンを構成するタンパク質のひとつ「グリアジン」が「ゾヌリン」という物質を分泌させることです。ゾヌリンは細胞と細胞のあいだを開く性質を持っていて、本来はとても重要な働きをする物質です。

ゾヌリンが腸で分泌されると、しっかりと閉じられている腸の細胞と細胞のあいだが開き、食べもの(栄養素)の吸収がよくなります。

ところが、小麦を毎日食べ続けていると、ゾヌリンが大量に分泌されて、腸の細胞と細胞のあいだが開きっぱなしになってしまうのです。グリアジンが腸壁の細胞に結合して刺激し、ゾヌリンを分泌し続けるためです。

すると、どうなるでしょうか? まるで玄関が開けっぱなしの家に悪者が次々と侵入してくるような状態になります。

「腸もれ」を発端に、体のあちこちで炎症が起きる

このように、腸壁の細胞と細胞のあいだが開き、ごく小さな隙間ができてしまった状態を「リーキーガット」といいます。英語でガットは「腸」、リーキーは「もれる」を意味します。日本語に訳すと「腸もれ」です。

小さいとはいえ、隙間は隙間。腸壁に隙間ができると、そこから腸内にいる細菌や毒素、未消化の食べものなどが体内へどんどん「もれ出て」いきます。すると、「これは大変だ!」と免疫システムが働いて、抗体がつくられ、異物を攻撃しはじめます。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

EU加盟国、トランプ次期米政権が新関税発動なら協調

ビジネス

経済対策、事業規模39兆円程度 補正予算の一般会計

ワールド

メキシコ大統領、強制送還移民受け入れの用意 トラン

ビジネス

Temuの中国PDD、第3四半期は売上高と利益が予
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 5
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中