最新記事

ヘルス

「寝はじめる姿勢」で目覚めが変わる 寝ても疲れが取れない人に共通する「睡眠の大間違い」

2021年6月27日(日)16時01分
夏嶋 隆(メディカルトレーナー、動作解析専門家) *PRESIDENT Onlineからの転載
ベッドで眠る男性

ぐっすり眠るために必要なこととは? 写真はイメージです。RyanKing999 - iStockphoto

疲れをとるにはどうすればいいのか。『疲れないカラダ大図鑑』(アスコム)を出したトレーナーの夏嶋隆さんは「マッサージに通っても疲れの原因は改善しない。まずは寝相を見直したほうがいい」という――。

深い眠りを実現するカギは「寝相の悪さ」

質の高い睡眠は、一日の疲れをしっかりと回復させ、翌日に疲れを持ち越さないために、とても大切なことです。

では、ぐっすり眠るために、真っ先にすべきことは、次のうちどれでしょうか?

1 ベッドを壁際に設置する
2 寝返りの回数を増やす
3 間接照明をつけて寝る

正解は2の「寝返りの回数」です。

睡眠をしっかりとったのに翌朝疲れが残っているのは、寝ているときの環境や姿勢によって、体がさらに疲れをため込んでしまうからです。

起きているときと同様に、筋肉はずっと同じ姿勢をしていると、血流が悪化し、どんどん疲労物質をため込んでしまいます。つまり、寝ているときも、できるだけ姿勢を動かした方が、体は疲れにくくなるわけです。

私は、約30年間にわたり、人間の動作を観察・記録して、運動学や解剖学、物理学などに沿った「人体構造に合った正しい動作」を検証し、スポーツの世界に還元していく動作解析という分野の専門家として選手たちをサポートしてきました。

アスリートにとって、翌朝までにしっかり体を回復させることは、とても重要です。そのために必要な「睡眠の質」を上げる方法として、私が動作解析をもとにたどり着いた結論が、寝がえりの回数を増やすこと。

寝返りは「寝相が悪い」というイメージがありますが、寝返りの回数を増やすことで、寝ている間の筋肉疲労が軽減し、朝起きたとき、ダルさや疲れを感じにくくなるでしょう。

今回は拙著『疲れないカラダ大図鑑』より、疲れない寝方についてお伝えします。

寝返りの回数を増やす3つのコツ

寝返りの回数を増やすコツは、3つあります。

ひとつ目は、布団の中の温度を上げることです。布団の中がポカポカして暖かいと、体は冷たいエリアを探して寝返りを繰り返します。一見、寝苦しそうに思えますが、寝ているときは動いているほうが体への負担を軽減してくれるのです。

ただし、夏場に冷房をつけたまま寝ると、同じ場所にいても快適なため、寝返りの回数が減少してしまいます。ここ数年は猛暑が続いており、冷房をつけないと熱中症など別のリスクが高まるため、つけたまま寝るのは仕方がない部分もありますが、温度設定は下げすぎないように注意してください。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪首相、対米輸出の10%の基本税率は今後も続くとの

ビジネス

個人株主数は2024年度に過去最高を更新、11年連

ワールド

キーウに夜通しドローン攻撃、14人負傷 鉄道インフ

ビジネス

トランプ米大統領、4日に関税率通知の書簡送付開始と
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    「コメ4200円」は下がるのか? 小泉農水相への農政ト…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 4
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 8
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 9
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 10
    ロシア人にとっての「最大の敵国」、意外な1位は? …
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中