最新記事

「賞味期限を過ぎたら食べられない」が間違いである根本的な理由

2020年11月9日(月)17時30分
松永 和紀(科学ジャーナリスト) *PRESIDENT Onlineからの転載

スーパーでの買い物の際、ついつい賞味期限の新しいものを選んでしまうが zoranm-iStockphoto

<賞味期限を過ぎた食品は食べないほうがいいのか。科学ジャーナリストの松永和紀氏は、「賞味期限は『おいしく食べられる期限』なので、それを過ぎたら食べられなくなるわけではない。そのうえ、余裕を持って設定されているので、多少過ぎてもおいしく食べられる」という――>

食品の期限をめぐる問題はプロですら誤解する

10月30日は「食品ロス削減の日」です。昨年施行された食品ロス削減推進法により定められました。ご存知でしたか? 食品ロス削減はSDGsにおいても重要なテーマとなっています。

食品を捨てるなんてもったいない。しっかり食べよう。期限切れの食品も。

でも、食べても大丈夫? 食中毒にならない? そもそも、期限切れはいつまでなら食べられる?

逡巡が起きますよね。インターネットを検索すると、記事やSNS等でこの問題に関する情報が大量に引っかかってきます。が、正直に言って多くの情報が間違いだらけ。賞味期限と消費期限、安全性と品質の話がもうゴチャゴチャです。

ただし、一般の人が間違えるのも無理はない。プロですら誤解しています。たとえば10月12日に株式会社バンダイナムコアミューズメントが公表したこのお詫び。「提供したドリンク4杯に賞味期限切れの食材を使用していたことが判明」として"深くお詫び"していますが、法律上は、食品加工時に賞味期限切れの食材を使うことは許されています。いくつか条件付きではありますが。謝罪なんて、する必要があったのかどうか......。

そこで、安全を守り食品ロスを抑えるための期限を巡るポイントをお伝えしましょう。ただし、先に書いておきますが、歯切れが悪いですよ。期限の話、とても複雑なのです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国国有の東風汽車と長安汽車が経営統合協議=NYT

ワールド

米政権、「行政ミス」で移民送還 保護資格持つエルサ

ビジネス

AI導入企業、当初の混乱乗り切れば長期的な成功可能

ワールド

米、数カ月内のウクライナ和平実現に懐疑的 ロシアに
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中