最新記事

若者

若者の現在と10年後の未来:消費行動編(前編)──所有から利用へ

2020年5月28日(木)11時20分
久我 尚子(ニッセイ基礎研究所)

とはいえ、現在のところ、SNSよりもマスメディアの影響を大きく受けているようだ。「SNSを使う人は多いが、結局、マスメディアの影響が最も大きいと思う」(41.4%)の選択割合は、「マスメディアよりも、個人が発信するSNSやブログなどの情報の方が信頼できる」(30.0%)や「友達や好きな有名人、趣味のつながりなど、自分の選んだ人とつながっているSNSの情報が一番信用できると思う」(29.5%)を10%pt以上上回る。

つまり、若者は『SNS』志向が高いものの、影響力としてはマスメディアが勝ると考えている。SNSでは誰もが気軽に発信できる一方で、マスメディアでは誰もが発信できるわけではない。また、自らがSNSで写真や動画、文字などを使って発信をする中で、その表現の難しさも感じることで、マスメディアのプロの技術や情報収集力、企画力等に価値を感じる若者も少なくないだろう。こういったSNSとマスメディアのメディアとしての性質の違いに、若者は一定の価値を認めている可能性もある。また、多くのテレビ番組でSNSアカウントを持つように、マスメディア発のSNS発信も一般的になる中では、情報発信に使うメディアが何かということよりも、情報発信している主体が誰かということに一層、主眼が置かれるようになっていることも指摘できる。

▼後編はこちら
若者の現在と10年後の未来:消費行動編(後編)──新型コロナで変化が加速

Kuga_Profile.jpeg[執筆者]
久我 尚子
ニッセイ基礎研究所
生活研究部 主任研究員

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科の社債急落、政府が債務再編検討を指示と報道

ワールド

ウクライナ和平近いとの判断は時期尚早=ロシア大統領

ワールド

香港北部の高層複合アパートで火災、4人死亡 建物内

ビジネス

ドル建て業務展開のユーロ圏銀行、バッファー積み増し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中