最新記事

ヘルス

太陽の光を浴びて癌治療する日が来る? 最新研究が明かす免疫の謎

Cracking Immunity's Riddles

2019年1月11日(金)13時05分
スタブ・ジブ

newsweek_20190110_162227.jpg

PETER NICHOLLS - REUTERS

アレルギー物質への反応を鍛え直す新ワクチンの可能性

ピーナツアレルギーの治療の決め手になりそうなワクチンの開発が進んでいる。

ミシガン大学の研究者らが今年4月、月に1度の投与でピーナツ製品へのアレルギー反応を防ぐ鼻スプレーの動物実験に成功したと発表した。研究チームは20年近く、ワクチン接種で免疫を付けてピーナツアレルギーを抑える研究を行ってきたという。人間に対しても同じ効果があるとは限らないが、マウス実験の成功は重要な一歩だ。

実験はマウスを人間と同様のピーナツアレルギーにするところから開始。そのマウスがピーナツを摂取すると、人間と同じようにアナフィラキシーという症状、すなわち皮膚のかゆみや呼吸困難が起きる。

研究者らはピーナツアレルギーのマウスに鼻スプレーの「ワクチン」を月に1回、3カ月間投与。これが免疫療法となり、アレルギー誘発物質に対する免疫反応が変わることが期待された。その後、マウスにピーナツを与えたところ、スプレー投与後は最長2週間、アレルギー反応の抑制効果が見られた。

ミシガン大学は以前にも、ピーナツタンパク質の粉をごく少量だけ患者に投与すると、アレルギーの予防効果があることを発見している。ワクチンと同様、免疫システムを鍛える作用があるようだ。

さまざまな感染症を根絶したワクチンが、アレルギーの消滅にも一役買うのかもしれない。

以上、クリスティン・ヒューゴ


コラム 体の抵抗力を強化する7つのパワフル食材

NW_TAB_01-s.jpg○ヨーグルト 人体に良い影響を与える腸内細菌プロバイオティクスが含まれている。免疫システムや消化管の機能を助けることが判明した

NW_TAB_04-s.jpg○キノコ
抗酸化・抗炎症作用が強く、ウイルスや細菌と戦う免疫細胞を増強する。免疫システムを助けつつも、その反応で起こる炎症は抑える、いいとこ取りの食品だ

NW_TAB_03-s.jpg○グレープフルーツ
ビタミンCの豊富な果物が、免疫システムを強化することはよく知られている。他の微量栄養素と共に働き、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高める

NW_TAB_02-s.jpg○魚
オメガ3脂肪酸を多く含む魚油は、抗炎症作用などで知られているが、免疫の働きも強化。白血球の活動を助けることが研究から明らかに

NW_TAB_07-s.jpg○ナッツ類
ナッツに含まれるビタミンEには抗酸化作用があり、感染予防に役立つ。アーモンドやピーナツ、ヘーゼルナッツ、ヒマワリの種などはビタミンEが豊富

NW_TAB_06-s.jpg○ニンニク
抗酸化作用が強く、免疫システムの効果を増強する。ある実験では、ニンニクの摂取で風邪をひきにくくなり、回復も早くなるという結果が出た

NW_TAB_05-s.jpg○チキンスープ
風邪をひいたときに温かいチキンスープが飲みたいのには一理あり。鶏肉から出るアミノ酸の一種シスチンには、病気に抵抗するのを助ける働きが

MAICAーE+/GETTY IMAGES (YOGURT), STUDIO-PURE/ISTOCKPHOTO (SARDINE), EDDWESTMACOTT/ISTOCKPHOTO(GRAPEFRUIT), ALTER_PHOTO/ISTOCKPHOTO (MUSHROOM), SAPUNOVAPHOTO/ISTOCKPHOTO (CHICKEN SOUP), ELOVICH/ISTOCKPHOTO (GARLIC), MICHAEL BURRELL/ISTOCKPHOTO (MIXED NUTS)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、代替関税率を10%から15%に引

ビジネス

エヌビディアやソフト大手の決算、AI相場の次の試金

ワールド

焦点:「氷雪経済」の成功例追え、中国がサービス投資

ワールド

焦点:米中間選挙へ、民主党がキリスト教保守層にもア
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 2
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面を突き破って侵入する力の正体が明らかに
  • 3
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」
  • 4
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 5
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 6
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 7
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 8
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 9
    「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒…
  • 10
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 5
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 6
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 7
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中