子供の寝かしつけ 専門家の意見が一致する一番の方法は?
人間は哺乳類の中で最も未熟な状態で生まれることも忘れてはならない。誕生直後の赤ちゃんは、脳内の神経細胞同士の結び付きが未発達だ。深いレベルの睡眠とレム睡眠の両方をたっぷり取ることは、その接続の促進に欠かせない。「神経回路がつながることで体を動かす、考えるなどあらゆる行為が可能になる」と、ペンシルベニア州立大学のダグラス・テティ教授は言う。
決まった入眠の「儀式」を
それでも生後6カ月を過ぎて、夜間に必要以上に目を覚ます場合は何らかの医学的な問題があるかもしれない。コリック(疝痛)や胃食道逆流症、皮膚炎などがある赤ちゃんは落ち着いて眠ることができない。
眠る際の習慣が親の悩みのタネになる場合もある。例えば抱っこされたり、母乳を飲みながら寝入るのに慣れた子供は、夜中に目覚めたときも同じ方法でないと眠れないかもしれない。その場合、泣きわめいても眠るまで放っておくやり方もある。やがて子供は自分で自分の気持ちを静めるすべを身に付けるだろう。ファーバー方式として知られるこの手法はアメリカで人気があり、効果も認められているが、残酷だとして反対の立場を取る親や医師も少なくない。
睡眠に関する問題を防ぐには、決まった入眠習慣をつくるのが一番だという点で、専門家の意見は一致する。子供がほぼ一晩中眠るようになってきたら(早ければ生後半年ぐらいだが、3歳以降の場合もある)、気持ちを穏やかにするような就寝前の「儀式」を決めるといい。入浴でもいいし、本の読み聞かせといったことでもいい。いったん決めたら毎晩続けること。テレビは消し、部屋は暗くする。親子とも安らげる夜の儀式の確立は、寝かせる場所や寝かせ方といった細かいことよりも重要だ。
テティの研究でも、健やかな眠りに導く一番の要因はストレスのない環境であることが分かった。「子供の睡眠はこうあるべきだとか、こうあるべきではないといった思い込みはストレスのもとになる」と、テティは言う。「疲れたら子供は寝るもの。最良のアドバイスは、流れに任せなさいということだ」
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