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大谷の真実

実は「話す仕事は10%のみ...」大谷翔平の通訳解雇で注目、MLB通訳の「知られざる日常」

WHAT MLB INTERPRETERS DO

2024年4月4日(木)14時20分
ブリタニー・ギロリ(ジ・アスレチック記者)

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水原は妻と過ごす時間より大谷との時間が長かった(18年4月) BRIAN DAVIDSON/GETTY IMAGES

MLB通訳の給与は、それぞれのチームが支払う。金額はさまざまな要素で決まるが、特に大きいのは「どの選手を担当するか」だ。水原は大谷の通訳として30万~50万ドル(約4500万~7500万円)の年収を得ていたと報じられている。ほかのアジア系選手の通訳に取材したところ、この額より多くもらっていると答えた人はいなかった。

通訳は実際には何をしているのか。水原は昨夏のインタビューで「話すことは仕事全体の10%程度でしかない」と語っている。通訳が選手の住居の手配や食事の調達、家族や友人の訪問の調整、野球データの解説などの仕事を任されることも多い。

MLBの中国語通訳だったティモシー・リンは選手の妻のために、出産を控えた妊婦を祝う「ベビーシャワー」のパーティーを開く手伝いをしたことがある。台湾出身の投手がマッサージを受ける際も、通訳のために立ち会った。別の通訳は、選手の妻が出産する際に病院側との連絡係を何度か務めたことがあるという。

肝心の通訳の業務も、ただ直訳すればいいというわけではない。言葉のニュアンスや文化の違いを選手に分かりやすく説明することも必要になる。

レッドソックスの吉田は、遠征時にチームのビールクーラーを飛行機に運ぶ係だ。日本ではスター選手だった吉田だが、MLBはリーグの在籍期間がものをいう世界。吉田も今はまだルーキーのような扱いだ。通訳がこうしたことを選手に伝えるときは、習慣の違いなどを説明し、プライドにも配慮した接し方が必要になる。

「日本とアメリカとでは、文化がまるで違う」と、吉田の通訳の若林は言う。「私も吉田も、アメリカのあらゆることを学んでいる段階だ。アメリカの文化を理解するために、できることは何でもやっている。おかしなこと、間違ったことを口にしたくないから」

自由時間は眠っている間だけ

水原は、アジア系選手の通訳の中でも知名度が抜群だった。MLB通訳という職業の認知度を高めたともいえる。ダルビッシュの通訳を務める堀江も「水原は日本では大変な有名人」だと語っていた。

水原はサインを求められることも多かった。水原の妻はオークションサイトで夫のサインボールを見つけたことがあるという。

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