のん「芋づる式SDGsのススメ」
One Step at a Time
――SDGs達成には自分と世界のさまざまなつながりへの想像力が大切だといわれる。のんさんも東北との縁が深い。
東北は(主演ドラマ『あまちゃん』の舞台でもあるので)第2の故郷で、恩を感じています。街の人たちが「娘や孫みたいなもんだから」と親身に迎えてくれるので心が温まりますね。
東日本大震災からの復興に尽力されている方がまだたくさんいることを忘れずに、一緒に元気になっていきたいと思っています。
私に大きなことはできませんが、表現の仕事で皆さんが笑顔になれたり、元気のもとになることをしていきたい。
知っている場所が台風の被害に遭えばすごく心配になったり、あのお店のおばちゃんが優しかったなと思い出したり。
一つの目標を入り口に他の目標が結び付いてくるSDGsに似ています。好きな人たちを気に掛ける気持ちがいろんな地域に広がっていく。
――2030年がゴール。8年後の未来は、どうあってほしい?
SDGsがもっと日常的になったらいいですよね。「今日は何食べようか」くらいの感覚で。
今は義務教育の授業にSDGsが組み込まれていると聞きました。学校で学んだ世代はもっとSDGsが日常になじむと思います。
2030年頃には今のスマホくらいSDGsが当たり前になったらいいですよね。
――ピープルとして、子供にも親しんでもらえそうなSDGsのキャラクターデザインも手掛けた。
双子のきょうだい「SDG子」「SDG夫」と、SDGsのことを何でも知っている仙人みたいな「しろちゃん」、しろちゃんに対抗意識を燃やして張り合う「咲きちゃん」の4人がいます。
双子はこれからSDGsのことを学ぶ人たちと同じ目線でしろちゃんにいろいろなことを教わっていきます。
私がデザインしたものを朝日新聞で漫画にしていただきました。地球が胴体になっているのは、地球をかわいく思ってもらえたらいいなと。
――SDGsの17目標を表すカラフルなアイコンはコメディ番組『Mr.ビーン』などの脚本家リチャード・カーティスがクリエーティブチームを組んで制作。コミュニケーション戦略が国連のプロジェクトとしては斬新だった。
ピープルになってからアイコンが「街にこんなにあったのか!」と気付きました。
私が発信しているのを見て、SDGsを初めて知った人もいるみたいで、知ることで実は日常にあふれていることに気付く。
ロゴがかわいかったり、素敵なストーリーがあったり、そういう発信力は大事ですね。私も頑張ります!
ニューズウィーク日本版SPECIAL ISSUE「未来をつくるSDGs 2022」が好評発売中。遠隔授業、アパレル循環、エコホテル、昆虫食、週休3日......日本と世界のSDGs事例集。[インタビュー]竹下隆一郎(『SDGsがひらくビジネス新時代』著者)
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●『Ribbon』
劇場公開中&デジタル配信中!
出演:のん 山下リオ 渡辺大知 小野花梨 春木みさよ 菅原大吉
脚本・監督:のん
公式サイト:https://www.ribbon-movie.com