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未来をつくるSDGs

のん「芋づる式SDGsのススメ」

One Step at a Time

2022年4月19日(火)17時35分
岩井光子(ライター)

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のん/女優。1993年兵庫県生まれ。劇場用長編アニメ『この世界の片隅に』で主人公すずの声を演じ、第38回ヨコハマ映画祭「審査員特別賞」を受賞。主演を務めた映画『私をくいとめて』で第30回日本映画批評家大賞にて「主演女優賞」を受賞。「創作あーちすと」の肩書で個展開催や音楽活動を本格化させるなど多方面に表現の場を広げている。公開中の映画『Ribbon』(公式サイトはこちら)では脚本・監督・主演を務めた PHOTOGRAPH BY TOMOHISA TOBITSUKA FOR NEWSWEEK JAPAN; MAKEUP BY SHIE KANNO (KURARA SYSTEM), STYLING BY IZUMI MACHINO

――SDGs達成には自分と世界のさまざまなつながりへの想像力が大切だといわれる。のんさんも東北との縁が深い。

東北は(主演ドラマ『あまちゃん』の舞台でもあるので)第2の故郷で、恩を感じています。街の人たちが「娘や孫みたいなもんだから」と親身に迎えてくれるので心が温まりますね。

東日本大震災からの復興に尽力されている方がまだたくさんいることを忘れずに、一緒に元気になっていきたいと思っています。

私に大きなことはできませんが、表現の仕事で皆さんが笑顔になれたり、元気のもとになることをしていきたい。

知っている場所が台風の被害に遭えばすごく心配になったり、あのお店のおばちゃんが優しかったなと思い出したり。

一つの目標を入り口に他の目標が結び付いてくるSDGsに似ています。好きな人たちを気に掛ける気持ちがいろんな地域に広がっていく。

――2030年がゴール。8年後の未来は、どうあってほしい?

SDGsがもっと日常的になったらいいですよね。「今日は何食べようか」くらいの感覚で。

今は義務教育の授業にSDGsが組み込まれていると聞きました。学校で学んだ世代はもっとSDGsが日常になじむと思います。

2030年頃には今のスマホくらいSDGsが当たり前になったらいいですよね。

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のんさんがSDGs認知拡大のために描いたジャパンSDGsアクション推進協議会の公式キャラクター。「地球に恩を売っていこう」をキャッチフレーズに、地球を持続可能にしていく役割を担う。左からSDG子、SDG夫、咲きちゃん、しろちゃん ILLUSTRATIONS BY NON

――ピープルとして、子供にも親しんでもらえそうなSDGsのキャラクターデザインも手掛けた。

双子のきょうだい「SDG子」「SDG夫」と、SDGsのことを何でも知っている仙人みたいな「しろちゃん」、しろちゃんに対抗意識を燃やして張り合う「咲きちゃん」の4人がいます。

双子はこれからSDGsのことを学ぶ人たちと同じ目線でしろちゃんにいろいろなことを教わっていきます。

私がデザインしたものを朝日新聞で漫画にしていただきました。地球が胴体になっているのは、地球をかわいく思ってもらえたらいいなと。

――SDGsの17目標を表すカラフルなアイコンはコメディ番組『Mr.ビーン』などの脚本家リチャード・カーティスがクリエーティブチームを組んで制作。コミュニケーション戦略が国連のプロジェクトとしては斬新だった。

ピープルになってからアイコンが「街にこんなにあったのか!」と気付きました。

私が発信しているのを見て、SDGsを初めて知った人もいるみたいで、知ることで実は日常にあふれていることに気付く。

ロゴがかわいかったり、素敵なストーリーがあったり、そういう発信力は大事ですね。私も頑張ります!

SDGs2022_mook_cover150.jpg
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[お知らせ]
●『Ribbon』
劇場公開中&デジタル配信中!
出演:のん 山下リオ 渡辺大知 小野花梨 春木みさよ 菅原大吉
脚本・監督:のん
公式サイト:https://www.ribbon-movie.com

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