最新記事

インタビュー

「新しい刺激」に飢えた、若き表現者・村上虹郎。

2021年1月8日(金)11時30分
撮影:タカコノエル 文:佐野慎悟 ※Pen Onlineより転載

クリエイター同士が表現をぶつけ合う、他ジャンルのコラボレーションに刺激を受ける村上虹郎。この日も初対面となったビジュアルアーティスト・タカコノエルと、即興のフォトセッションを楽しんでいた。

2020年に公開された主演映画『ソワレ』では、若い男女の逃避行を情感豊かに演じ切った村上虹郎(にじろう)。既にデビューから6年が経ったいま、ひとりの役者としての円熟味は、作品を追うごとに飛躍的に増している印象だ。そんな村上が、雑誌『フィガロジャポン』の誌面とウェブサイトにて、映像作家兼写真家の山田智和とともに、20年の5月まで展開していた連載企画『虹の刻』。1年5カ月にわたり、合計17名の作家やアーティストを招いて紡ぎ上げられた珠玉の作品群が、今回ついに一冊のコンセプトブックという形に集約された。既存の枠に留まらず、常に新しい表現方法を模索する村上は、なにを思って異業種とのコラボレーションを続けてきたのか。またそのクリエーションは、本業である芝居とどのように関係しているのか。23歳の現在地を、自分の言葉で語ってもらった。

──連載版の『虹の刻』は、山田智和さんとともに作り上げた写真表現と映像に、注目の作家やクリエイターが寄せるショートショートや散文と、音楽家による楽曲を組み合わせるという、かなり実験的な異業種コラボレーションでした。なぜこのような連載になったのですか?

村上: むちゃくちゃ恥ずかしい言い方をすると、見たことがないものを見たかったから(笑)。このメンバーだったら、それができるんじゃないかという思いから、最初はただ山田さんと撮影に出かける形でスタートしました。そうしたら一発目から"山田智和というスケールのあるフィールド"で素敵なモノが出来上がったので、フィガロに持ちかけて連載という形で続けていくことになりました。そして「言葉にならなかった感情、いましかない瞬間」をテーマに、僕らではない第三者に言葉と音楽を紡いでもらうことで、また新たな発見ができるような仕組みを試してみました。

penonline20210108-buzz03-2.jpg

初対面の緊張感はなく、いかなるときも自分らしさを忘れない村上。カメラを向けられていても、気のおもむくままに、自然体を崩さない。

──文筆家には初回の又吉直樹さんを始め、山崎ナオコーラさん、町田康さん、俵万智さんと、そうそうたる顔ぶれが並びました。写真と文はそれぞれが独立して存在しているようでいて、それでもときに交錯して混じり合いながら、複雑な化学変化を起こしています。このコラボレーションはどのようにして進んでいったのですか?

村上: 写真や映像と文章は、同じテーマだけ共有していますが、お互いどのようなイメージになっているのか、完成するまでわからない。だから毎回テーマから僕がイメージしたものとは、まったく違うものに出会える楽しみがありました。

<関連記事>"自分らしさ"を信じて、20歳を目前に突如覚醒した髙橋ひかる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

一般教書演説、イラン・関税が焦点 トランプ氏「経済

ビジネス

ブラックロック、インフレ鈍化で社債選好 国債は変動

ビジネス

日鉄、5500億円CBで過去最大調達 増額の可能性

ワールド

ウクライナ大統領、独立維持を強調 侵攻開始から4年
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 5
    ペットとの「別れの時」をどう見極めるべきか...獣医…
  • 6
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 7
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 8
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    「高市トレード」に「トランプ関税」......相場が荒…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中