最新記事

大学

教職員や卒業生の子供が「合格しやすい」のは本当?

2015年12月28日(月)15時25分

 従って、「枠」があるにしても、最近では「合否のボーダーラインに乗った場合だけ優遇する」とか、「アーリーで出してきた場合は、レガシーの学生はいきなりリジェクト(不合格)にはせず、合格でなくてもディファード(補欠)にしておく」という程度の優遇にとどめている大学も多いようです。

(中略)

 こうした考え方の一方で、アメリカの大学は学生全員に「伝統の継承者」となることは期待はしていないということがあります。

 例えば、大学にもよりますが「新任教授の選考にあたっては、できるだけその大学で博士号を取った人物以外から採用する」ということが建前になっています。つまり、その大学の出身者だけで学問の伝統を引き継いでいては「停滞に陥る」危険、そしてその結果として「競争に負ける」危険があるからです。

 学部学生の入試でも同様で、伝統の継承者と破壊者の双方でうまくバランスを取って合格を出していくということをするようです。

 では「伝統の破壊者」とは何かですが、私立の名門大学の場合はどちらかと言えば「レギュラー出願の願書の中で探していく」ことになると言われています。つまり、12月末に出願を締め切ってから3月末の合否発表まで3カ月をかけて、すべての願書を審査する中で「伝統の破壊者」をできるだけ拾うようにするというのです。

 その「破壊者」ですが、文字通り「政府批判の好きな政治好きの若者」であるとか「前衛芸術のクリエーター」あるいは「先端科学への夢追い人」などといったタイプも歓迎されますが、そうした「目に見えて伝統破壊をやりそうな人物」というのは18歳の時点ではそうは願書の中から浮かび上がってはこないでしょう。

 また、そうした種類の人物ばかりをあまりたくさん合格させて、アーリーで合格させた「伝統の継承者」と合わせて新入生のグループを形成しても、それが大学として最善の選択だという保証はありません。

 そこで、多くの大学の場合は「伝統の維持と破壊」を意識して、大学の歴史を先へ進めるために何をやっているかというと、まずは多様な人材を確保するということになるわけです。

※第6回:公立校もアイビーも「ほぼ男女同数」が合格・入学する はこちら

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ、今月初めの米軍による攻撃で兵士47人死

ワールド

EU、重要インフラでの中国製機器の使用を禁止へ=F

ワールド

イラン抗議デモ、死者3000人超と人権団体 街中は

ワールド

韓国、米のAI半導体関税の影響は限定的 今後の展開
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
  • 2
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手がベネズエラ投資に慎重な理由
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 5
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 6
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 7
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 8
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 9
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」…
  • 10
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 9
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 10
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中