最新記事

キャリア

【図解】あの人はお金持ちなのに、なぜ貧乏そうなのか?

資産の多くが金融資産でないと、活用してお金を稼ぐことができず、質素な生活になってしまう

2015年9月21日(月)09時30分

 ビリオネア(富豪)になりたかったら、まずはその実像を知るべし――。そうして彼らと同じように考え行動することが、自らもお金持ちになる近道だと、評論家であり、億単位の資産を運用する個人投資家でもある加谷珪一氏は言う。

 住む場所から友達の選び方、移動手段、見栄の張り方まで、加谷氏は著書『お金持ちの教科書』と『図解 お金持ちの教科書』(ともにCCCメディアハウス)で、お金持ちの実像を明らかにしている。

 ここでは『図解 お金持ちの教科書』の「第1章 お金持ちってどんな人?」から一部を抜粋し、6回に分けて掲載する。今回がシリーズ第2回。富豪や資産家といってもタイプがいくつかあること、また国による特徴の違いもあり、日本では資産が土地に偏っていることを知っておこう。

<*下の画像をクリックするとAmazonのサイトに繋がります>


『お金持ちの教科書』
 加谷珪一 著
 CCCメディアハウス



『図解 お金持ちの教科書』
 加谷珪一 著
 CCCメディアハウス

※第1回:【図解】そもそもお金持ちって? はこちら

◇ ◇ ◇

 かなりの資産家のはずなのに、お世辞にも高級とは言えない服(いや、実際にはかなり貧乏くさい服)を着て、スーパーの安売りに並んでいるというタイプのお金持ちも存在している。

 この人たちはどのような人種なのだろうか? このようなタイプのお金持ちはズバリ、以下の2つの人種に集約される。

1.主な資産が土地で活用できない
2.貯金が目的となっている

日本のお金持ちの資産は土地に偏っている

 日本のお金持ちたちの資産は、土地に大きく偏っているのが特徴だ。土地は都心の一等地なら高値で売れるだろうが、そうでないところの土地は、そうそう簡単に売却できるものではない。

 また日本は、東京などの都市部にほとんどすべての機能が集中しているので、土地をたくさん持っていても、それを活用してお金を稼ぐことは実は結構難しい。アパート経営が関の山だ。

 しかも、日本の相続税はかなり重い(最大55%)ので、孫の代になると相続税を払うために土地をすべて手放すはめになる。資産のほとんどが土地というお金持ちは、資産を持っていてもそれで十分に稼ぐことができないのである。

 これが欧米のように資産の多くが金融資産になっていれば、株に投資したり、会社に出資したりと、いろいろな運用方法があり、資産からお金を生み出すことができる。だが、有効活用しにくい土地しかない資産家は、そこから得られる収入は小さく、固定資産税を支払ってしまうとほとんど残らない、という状況が十分にあり得るのだ。

 そうなると望むと望まざるとにかかわらず、質素な生活をしないと赤字になってしまう。スーパーの安売りに並ぶはめになるわけだ。

お金を貯めること自体が、目的になっている

 お金を貯めることが自己目的化しているお金持ちも、その原因の多くは不動産絡みだ。

 埼玉県に住むR子さんは、現在75歳。旦那さんはすでに亡くなっていて、現在は一人暮らし。R子さんの家は、旦那さんが親から相続した土地に30年前に建てた。他に相続した小さな土地を売って資金を得たため、ローンを組むことなく土地と家を手に入れることができた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バングラデシュ次期首相有力候補が帰国、来年2月に総

ワールド

北朝鮮の金総書記、今後5年のミサイル開発継続を示唆

ワールド

ブラジル大統領選、ボルソナロ氏が長男出馬を支持 病

ワールド

ウクライナ大統領、和平巡り米特使らと協議 「新たな
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    【銘柄】「Switch 2」好調の任天堂にまさかの暗雲...…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中