100年以上前に発見された「タイパ」の極意...「時間の20%を有効に使え」
・同様に、個人の幸福感のほとんどは、きわめて限られた時間のなかで得られる。幸福というものが正確に測定できるなら、一日でみても、一カ月でみても、一年でみても、一生涯でみても、ごく短い時間に集中していることがわかるだろう。
これを80対20の法則を使って、数量的に言い換えるとこうなる。
・成果の80%は、使う時間の20%で達成される。逆にいえば、使う時間の80% は、成果の20%にしかつながらない。
・幸福の80%は、人生の20%で経験する。人生の80%は、幸福の20%しかもたらさない。
これはもちろん仮説であり、自分の経験に照らして検証してみる必要がある。
この仮説が正しいとすれば(わたしはすでに検証済みであり、大多数のケースで、正しいことがわかっている)、さらに驚くべき4つの仮説が導き出される。
・やっていることのほとんどは、価値が低い。
・時間のごく一部が、残りの時間よりはるかに価値をもっている。
・だとすれば、発想を大胆に変える必要がある。時間の使い方を少しばかり変えたところで何の意味もない。
・時間のわずか20%を有効に使うだけで、時間が足りないということはなくなる。
少しだけ時間を取って、自分の毎日の生活を振り返り、80対20の法則どおりになっているか考えてみよう。正確なパーセンテージはどうでもいい。正確なパーセンテージを計算することなど、そもそも不可能なのだから。
重要なのは、成し遂げた仕事や手に入れた幸福が、それにかけた時間と見合っているのか、それとも大きな不均衡があるかどうかである。生産的な20%の時間が、成果の80%につながっているだろうか。幸福の80%は、時間の20%に集中しているだろうか。
大事なのは、時間をうまく管理することではない
時間と成果の釣り合いが取れていないなら、時間革命を起こす必要がある。時間をやり繰りしようとあれこれ考えても仕方がない。時間の配分を少しばかり変えたところで、大した意味はない。
時間の使い方を根本から見直す必要がある。そして、時間についての考え方そのものを変える必要があるだろう。
時間革命の手引――7つのステップ
時間革命を起こすには、次の7つのステップが必要になる。(以下、ステップ⑦以外のステップについては詳細を省く)
①頭を切り替え、努力と報酬は別物だと考える
②罪悪感を捨てる
③押しつけられた仕事から自分を解放する
④常識にとらわれず、柔軟に時間の使い方を考える
⑤80%を与えてくれる20%が何かをみつける
⑥80%を与えてくれる20%に使う時間を増やす
⑦つまらないことはやめる