最新記事

キャリア

アリストテレスが考案、今も問題解決に使われる「6つのW」──天才の80の思考

2022年2月22日(火)14時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

brriliantwork20220222-2.jpg

metamorworks-iStock.

■2. What(何を)

マリーとアレキサンダーは、素晴らしいことを成し遂げたいという思いを自覚していた。しかし意欲と野心はあるものの、何をすればいいのかを見つけないことには前に進めない。

彼らは、カフェを開こうか、ジャズクラブを開こうかと考え、最終的には店を持つことに決めた。マリーが洋服に興味を持っていたからだ。心から気になることは何か、いちばん大切な関心事を掘り下げよう。

■3. Where(どこで)

彼らは自分たちがどこで暮らしたいかを分かっていた。ロンドンのチェルシーだ。1960年代初期、チェルシーだけは街の活気に溢れていた。ここで〈バザー〉という名のブティックを開き、服とアクセサリーを売った。

身を置く環境は心身の健康に大きく影響する。どこで生活し、働くかを慎重に選ぶべきだろう。

■4. When(いつ)

60年代のイギリスの服は、デザインが古くさく、生地の柄も単調だった。イギリスは新しいアイデアを欲していると感じ取ったマリーのデザインは、現代的なファッションを求める女性たちに支持を受けた。

文化やテクノロジー、価値観の最先端で生まれるアイデアを感知する力を育むことは非常に重要だ。

■5. With(何と合わせて)

What(何を)を発展させるために使う技術や素材が、With(何と合わせて)だ。

資金不足のため、マリーは初めてのファッションショーを自分の店で行った。モデルたちがマリーの革新的なデザインを見にまとい、ジャズをBGMに踊りながら登場した。ひとりはショットガンを抱え、別のひとりはカール・マルクスの本を抱え、もうひとりは死んだキジを振り回した。

意図せず室内に血が飛び散り、壁や記者たちを汚した。今では演劇とパフォーマンスアートを融合させたようなランウェイショーはごく普通のことだが、当時はあまりにも独創的だった。必要なのは資金ではなく、創意に富む革新的な手法だ。

■6. Why(なぜ)

「若者には若者らしいファッションを楽しんでほしいと、いつも思っていました。20世紀のファッションをです」とマリーは語っていた。

マリーには服をデザインする理由と目的があった。マリーが作るものはどれも、マリーの「なぜ」から生まれていた。この6つ目の「なぜ」を常に持ち合わせて、理解しているかが、いちばん重要だ。

小難しいことを考えず、剣闘士の心意気で

そもそも、素晴らしい作品や価値を生み出したいならば、小難しいことを考える前にマインドセットが必要だ。そう、古代ローマの剣闘士のような心意気がいい。彼らには知性と技術と強い意志が求められたのをご存じだろうか。

これは重要な仕事や作品に取り組むときに土台となる素質と同じ。攻撃されたときには、盾で自分の作品を守りながら応戦する必要だってある。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国新築住宅価格、10月は-0.5% 1年ぶり大幅

ワールド

アマゾンとマイクロソフト、エヌビディアの対中輸出制

ワールド

米、台湾への戦闘機部品売却計画を承認 3.3億ドル

ワールド

ファイザー、肥満症薬開発メッツェラの買収を完了
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 5
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 6
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 10
    「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中