賢い人はそう答えない......「相手をがっかりさせる人」が会話の初め5秒でよく言う言葉とは
たとえば、「展示会には何社来た?」と、上司から具体的に質問されることがあるだろう。その場合は、「20社です」と端的に答えればよいから、誰にでもできる。
だが、前項でお話ししたように、「○○はどうだった?」と漠然と問いを投げかけられたときに能力が表に出てしまう。
たくさんの情報のなかから、ファーストアンサーに最適な情報にポイントを絞るには、次の二つの方法を覚えておくだけでうまくいくことが多い。①「ジャンル」でシンプルに絞る方法と、②「切り口」でオリジナリティを出す方法だ。
①「ジャンル」でシンプルに絞る方法
これは、自分が実際に見聞きしたものから、自分が話しやすいジャンルに焦点を絞る方法だ。たとえば、数や量の多寡、規模の大小、できごとの出来不出来など、誰の目にも見える事実やことがらから選ぶ。
あるいは、質問者が聞きたがるであろう人物に関する新情報やライバル社の動向など、現場で得た情報を取り上げればよいので比較的思いつくのが簡単だ。それをきちんと答えることができれば、聞き手はまず満足する。
報告や連絡の際、「ジャンル」を絞ることに意識を向けるだけで、主観的で幼稚な感想から脱却し、聞き手が求めているような答え方ができる。
②「切り口」でオリジナリティを出す方法
私がおすすめしたいのは、「切り口」でポイントを絞って答える方法だ。これは「ジャンル」の上級編といえよう。
こちらは、単に目に見える事象から情報をピックアップして答えるのではなく、その人なりの独自の見方で答えを絞る。その人なりの光の当て方といってもいい。
展示会の例でいえば、次のようになる。
質問 「展示会どうだった?」
答え×「おもしろかったです」
答え○「盛況でした。グローバル化の面では、うちはやはり業界トップだと確信しました」
この場合、「グローバル化」という「切り口」で情報を絞っている。答える側に、グローバル化や海外戦略に関心がなければ、そのような視点で展示会を眺めないだろう。
このように「切り口」で答えるということは、自分の得意分野に持ち込み、自分の頭で分析して浮き彫りになった事実や現象を伝えることを指す。
プレゼンの質疑応答も怖くない
周囲に、「あいつはいつもAI関連に話を持っていく」という人はいないだろうか。あるいは、何でもかんでも社会福祉につなげるとか、芸術に結びつけるという人もいるのではないだろうか。
そうやって自分の得意分野に話を引き込んでいくのは、自分の土俵へ相手を引き込んでいることにほかならない。つまり、自分の持ちネタで自分のスタイルに持ち込みながら、答えに説得力を持たせているのだ。
いつもワンパターンでおもしろくなければ、みんなにあきれられてしまうが、その得意分野の話にうなずけるところがあれば、それなりにみんなが納得するだろう。