最新記事

株の基礎知識

株で勝てる人の勉強法 「一流の投資家」が読む本・読まない本

2021年12月21日(火)10時50分
朋川雅紀 ※かぶまどより転載

■こんな本は読んではいけない

インターネットで検索すると、多くの投資・株関係の書籍が出てきます。どの本を読んだらよいのか悩むことでしょう。そのときのアドバイスとして、「こんな本だけには手を出さないように」という意味を込めて、最低限の注意をしたいと思います。以下のような本には注意してください。

①「株式"必勝"法」

株には、"必ず"勝てる方法などありません。もしそんな有効な方法があるならば、私が教えてほしいくらいです。

②「リスクなし。"確実"に儲かる!」

リスクがなく、"確実"に儲かる投資などありません。リスクをとる、つまり、 不確実であるからこそ、そのリスクに見合うリターンがあるのです。

③「驚異の◎連勝!」

株式投資の世界では、確率6割で「一流の投資家」と言われています。もし本当に何連勝もできたとすれば、次に起こるのは「連敗」です。

リーマンショックを克服した2009年春からの数年間、世界的に株価は上昇しました。このような時期であれば、たいていの企業の株価は上昇したことになります。誰がやっても儲かるような特殊な時期に儲けられたとしても、それはスキルではありません。再現性があるかも疑わしいです

そもそも、まともな投資家であれば、そんなことを自慢したりしません。いつもうまくいくかのような誤解を与える記述には気をつけましょう。

④「私はこうして◎億円(◎◎万円)儲けました」

こういうコメントを多く見かけませんか? 本当に儲けることができたのか、調べようがありません。後出しジャンケンのように、過去に上昇した株を調べて、「こんな株に投資していました」と言っても誰にもわかりません。

勉強なくして利益なし

ところで、みなさんは株の勉強にどのくらいの時間をかけていますか? 大して調べもせずに、株を買ったり売ったりしていませんか? 時間もかけずに買った株が「たまたま」上がったからといって、次に買う株も簡単に見つけようとしていませんか?

個人投資家のほとんどが会社勤めだと思います。あるいは、会社を経営している方もいらっしゃるかもしれません。

そういう人たちであれば、「本業でお金を稼ぐことがどれほど大変であるか」がわかるでしょう。本業に日々どれだけ時間とエネルギーを注ぎ込んでいるかを考えてみてください。朝から晩まで一生懸命働いて、お金を稼いでいるはずですよね。

本業で稼ぐよりも、株で稼ぐほうが簡単であるわけありません。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

カタール首長がシリア訪問、旧政権崩壊後元首で初 暫

ワールド

ドバイ国際空港、2024年の利用者は過去最多の92

ワールド

民間機近くの軍用ヘリ飛行を疑問視、米上院議員 空中

ワールド

ロシアの穀物輸出、EUの船舶制裁が圧迫 中銀が報告
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中