最新記事

BOOKS

東大生が世界で活躍するために読む本の共通点とは?

2020年1月11日(土)11時45分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

book200111-20yrsold-2.jpg

Yue_-iStock.

さらに頭を鍛えるための本を選ぶ東大生

東大生協で働くようになってすぐ、東大生には共通の読書傾向があることに気付きました。東大生は現状に満足せず、さらなる高みを目指していること、そして、やはり勉強が大好きであることが、彼らの読書傾向に反映されていたからです。

例えば、難関試験を突破した「日本一の学生」であるはずの東大生の多くが読んでいる本のタイトルに共通するのが、「頭を鍛える」「論理的思考」「地頭」「勉強法」といったワードでした。つまり、さらに頭を鍛えるための本だったのです。

そのほかにも、海外の名門大学や一流企業に関する本、最新の科学知識や最先端の情報を入手できる本、歴史や芸術などの教養を深めようという意識から読んでいるのだろうと思われる本を購入していく学生が多くいました。

ただ、それだけでなく、それらに関する専門書や新書、ノンフィクションやビジネス書など、普通の大学生が手に取らないような本も併せて選んで、とにかくたくさんの本を読んでいる、というのが東大生の読書傾向の大きな特徴です。

そうした傾向から分かったことは、世間のベストセラーや話題書、売り上げランキングなどに惑わされずに、「自分が読むべき本」を選ぶことができる選書能力の高さを、東大生は持ち合わせているということです。それゆえ、本をうまく使うことができるのではないでしょうか。

つまり、東大生はただ本を「読んでいる」だけではなく、「最大限に活用している」のです。彼らがたくさんの本を読むというのは、本に対して、それだけの時間もお金も投資しているという姿勢でもあります。

投資だからこそ、読む本を真剣に選び、「頭を鍛える方法」「海外で活躍するために必要なこと」「最新科学かつ最先端の情報」「教養を深める」など、自分に必要なことを確実に入手できる情報源として、本を活用しているともいえます。

東大生が20歳のときに読んでいる本

東大生は世間のベストベラーや話題書はあまり興味がないようで、私が担当していた頃に飛び抜けて売れていたのも、当時のベストセラーだった『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎夏海・著、ダイヤモンド社)や村上春樹さんの新刊(『1Q84』新潮社)ではありませんでした。

それらの本よりも、20世紀の名著の復刻版である『正義論』(ジョン・ロールズ著、紀伊國屋書店)や、NHKの「白熱教室」でも話題になった『これからの「正義」の話をしよう』(マイケル・サンデル著、早川書房)などのほうが、より多くの東大生に手に取られていたのです。

そして、『これからの〜』が売れ始めたとき、一緒に並べたことから確実に売れるようになったのが、『20歳のときに知っておきたかったこと』(ティナ・シーリグ著、CCCメディアハウス)でした(編集部注:重松氏は著書の「東大生が『世界で活躍するため』に読んでいる本」ランキングで、『これからの~』を1位に、『20歳のときに~』を2位に選んでいる)。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

南ア、複雑な規制環境が成長と雇用を阻害=IMF

ワールド

香港当局、国泰君安を捜査 金融機関の取り締まり強化

ワールド

ホルムズ海峡の機雷除去での自衛隊展開、想定できない

ビジネス

ゴールドマン、第4四半期原油価格予想上げ ホルムズ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 9
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 10
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中