最新記事

教育

中学受験で親子でも夫婦でも喧嘩せずに合格を勝ち取る方法

2019年12月26日(木)11時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

つまり、大切なのは教え方のスタイルと子どもとの相性であり、難関中学合格者を多数出している塾だからという理由で選ぶのは避けたほうがいいと小川氏は言う。あくまでも塾は道具。子どもにとって、一番力を発揮しやすい塾を選ぶことが必要なのだ。

塾通いをする子どもに対する、親の関わり方にもコツがある。

まずは、子どもから聞いて、先生の特徴を把握すること。「どんな先生で、どんな話し方をして、どういう授業時間の使い方をする先生なのか」をつかむ。それにより、授業の受け方や授業のための準備について、親子で話し合うことができる。

そして、日々の塾の授業を終えて帰ってきたら、授業の様子を問いかける。その質問に答えることで、子どもの意識の中にその日の授業が再現される。そこでタイミングよく「先生は、何が一番、大事だって言ってた?」と知識の確認をすることで、授業を振り返ることになり、腑におちる理解につながっていく。

子どもの"ノリノリ状態"を探し、それを活用する方法

中学受験には寸暇を惜しんで勉強しなければいけないというイメージがあるが、実は、勉強時間の長さと成績の伸びは関係ない。小川氏が長年中学受験の指導をしてきた経験によると、8時間勉強しても、子どもが集中できる時間はせいぜい2時間、長くても3時間程度だという。

あとの時間は、頑張って勉強しているつもりでも、実際は身になっていないことが多い。その集中している時間にどれだけ質の高い勉強ができるのかが大切になる。

集中している時間とは、本人の気持ちが乗っているときである。難しい問題が解けたり、授業で習った類似問題が解けるなど、何らかの手応えがあり、勉強を面白く感じているときだ。いわば、"ノリノリ状態"である。

もしトータルの勉強時間の8時間のうち、3時間は手ごたえがある勉強ができ、残りの5時間は分からない問題ばかりでつらい思いをしたとする。そうなると、つらかった5時間ばかりが頭に残ってしまい、勉強に対するネガティブな思いだけが蓄積されてしまう。

逆に、トータルで5時間の勉強時間のうち、3時間を集中してできると、半分以上の時間が手ごたえのある勉強になるため、「できた!」という嬉しい記憶が残り、次の日も頑張ろうと思えるのだ。

この"ノリノリ状態"を活用すると、勉強がはかどり、知識も定着しやすくなる。そこで、子どもを観察することで、ノリノリになりやすい時間帯を探し、親がそこに勉強メニューを組み込んでいくのだ。

さらに、その"ノリノリ状態"を持続させる方法を見つけていこう。好きで頑張れる科目であれば、本人にどんどんやらせて、どのくらいやると疲れるかを見守る。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

9月の米卸売在庫、0.5%増 GDPにプラス寄与か

ワールド

タイ首相、議会解散の方針表明 「国民に権力を返還」

ワールド

米印首脳が電話会談、関税導入後3回目 二国間関係な

ワールド

トルコ中銀が150bp利下げ、政策金利38% イン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中