中学受験で親子でも夫婦でも喧嘩せずに合格を勝ち取る方法
つまり、大切なのは教え方のスタイルと子どもとの相性であり、難関中学合格者を多数出している塾だからという理由で選ぶのは避けたほうがいいと小川氏は言う。あくまでも塾は道具。子どもにとって、一番力を発揮しやすい塾を選ぶことが必要なのだ。
塾通いをする子どもに対する、親の関わり方にもコツがある。
まずは、子どもから聞いて、先生の特徴を把握すること。「どんな先生で、どんな話し方をして、どういう授業時間の使い方をする先生なのか」をつかむ。それにより、授業の受け方や授業のための準備について、親子で話し合うことができる。
そして、日々の塾の授業を終えて帰ってきたら、授業の様子を問いかける。その質問に答えることで、子どもの意識の中にその日の授業が再現される。そこでタイミングよく「先生は、何が一番、大事だって言ってた?」と知識の確認をすることで、授業を振り返ることになり、腑におちる理解につながっていく。
子どもの"ノリノリ状態"を探し、それを活用する方法
中学受験には寸暇を惜しんで勉強しなければいけないというイメージがあるが、実は、勉強時間の長さと成績の伸びは関係ない。小川氏が長年中学受験の指導をしてきた経験によると、8時間勉強しても、子どもが集中できる時間はせいぜい2時間、長くても3時間程度だという。
あとの時間は、頑張って勉強しているつもりでも、実際は身になっていないことが多い。その集中している時間にどれだけ質の高い勉強ができるのかが大切になる。
集中している時間とは、本人の気持ちが乗っているときである。難しい問題が解けたり、授業で習った類似問題が解けるなど、何らかの手応えがあり、勉強を面白く感じているときだ。いわば、"ノリノリ状態"である。
もしトータルの勉強時間の8時間のうち、3時間は手ごたえがある勉強ができ、残りの5時間は分からない問題ばかりでつらい思いをしたとする。そうなると、つらかった5時間ばかりが頭に残ってしまい、勉強に対するネガティブな思いだけが蓄積されてしまう。
逆に、トータルで5時間の勉強時間のうち、3時間を集中してできると、半分以上の時間が手ごたえのある勉強になるため、「できた!」という嬉しい記憶が残り、次の日も頑張ろうと思えるのだ。
この"ノリノリ状態"を活用すると、勉強がはかどり、知識も定着しやすくなる。そこで、子どもを観察することで、ノリノリになりやすい時間帯を探し、親がそこに勉強メニューを組み込んでいくのだ。
さらに、その"ノリノリ状態"を持続させる方法を見つけていこう。好きで頑張れる科目であれば、本人にどんどんやらせて、どのくらいやると疲れるかを見守る。