最新記事

教育

中学受験で親子でも夫婦でも喧嘩せずに合格を勝ち取る方法

2019年12月26日(木)11時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

母親が落ち着いて考え、中学受験をすることを選んだにもかかわらず、父親が反対している場合、その主な原因は3つに分かれる。

「今の子どもたちの現状を知らない」
「受験にマイナスイメージを持っている」
「(大学、高校)受験で自分自身の成功体験がある」

である。これらに共通しているのは、父親の判断が自分基準でスタートしている点だ。

そんなとき、小川氏は中学受験の話ではなく、夫婦の間で「うちの子ってこうだよね」という会話を増やすことをアドバイスしている。

中学受験は、あくまでも子どもの人生における選択肢のひとつ。ひとまず中学受験を脇に置いて、子どもにとってどんな環境がいいのかを話し合うのだ。父親には、母親と同じように細やかな目で子どもが見えているとは限らない。いろいろな子どもの情報を共有した上で、「わが家はどうするか」という方針を具体的に考えていくことが必要になる。

では、子どもが中学受験を嫌がる場合はどうすればいいだろう。小川氏によれば、これも対処法は同様だ。

まずは子どもの嫌がる理由を聞き、その気持ちを汲み取る。そして親として、なぜ中学受験を考えているのかを、子どもにも分かるように説明する。親の考えに従わせるのではなく、子どもなりに判断できる材料を丁寧に渡すスタンスで話すのだ。両親が思っていることを素直に伝えることで、子どもは耳を傾けるようになるはずだという。

中学受験は、家族みんなで乗り越えるもの。じっくりと話し合いながら、まるで同盟を結ぶように向き合っていくことが大切である。

book191226chugakujuken-2.jpg

taka4332-iStock.

塾選びで重視すべきは、合格者実績より子どもとの相性

中学受験に欠かせないのが塾だ。ただし、中学受験に力を入れている各種の大手進学塾でも、その特徴には違いがあるため、子どもとの相性を考えることが必要になる。


「教える」→「鍛える」→「チェックする」の3ステップが基本となります。
 塾を選ぶ際には、この3つの要素に塾がどれくらい関わってくれるかと、子どもの学習の自立度合いに照らし合わせて選んでいきます。(113ページより)

速いペースでどんどん進む授業が、テンポが良くて分かりやすいと感じる子もいれば、ゆっくり進む授業が丁寧で分かりやすいと感じる子もいる。どちらの教え方がいいかではなく、授業を受けたときに子どもがどう感じるのかが選択要素になる。

また、テキストも同様だ。大手進学塾のオリジナルテキストの多くは、一定の期間ごとに作られているため、それを家で見ておけば次回の授業内容を知ることができる。しかし、毎回の授業の前に冊子として配られる塾もある。事前準備をしないと授業に付いていけない子やスロースタートタイプ、自分のペースを大切にしたい子は、そういうスタイルは合わないかもしれない。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中