最新記事

教育

中学受験で親子でも夫婦でも喧嘩せずに合格を勝ち取る方法

2019年12月26日(木)11時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

miya227-iStock.

<過酷な中学受験はつらくて当然? 6000もの親子をサポートしてきた中学受験のプロは、決してそうではないと言う。意見の食い違いの乗り越え方、相性による塾の選び方、勉強に集中する時間の活かし方......。幸せな中学受験のヒント>

「中学受験は、親の受験」という言葉がある。過酷と言われる中学受験の当事者は、まだまだ幼さが残る小学生。親が担う役割は大きいという意味だ。「自分が頑張らなければ、わが子は伸びない」という使命のもと、生活の管理や通塾、勉強のサポートなどに奮闘することになる。

その結果、子どもに無理に勉強を押しつけ、親子の仲が悪くなってしまう家庭や、受験をめぐる情報に気持ちをかき乱され、夫婦喧嘩を繰り返してしまう家庭が珍しくない。中学受験とは、子どもにとっても親にとっても、つらく苦しいもの。それを乗り越えた家庭だけが志望校合格というゴールに到達できる――。

本当にそうだろうか?

「中学受験で親子ともに幸せになれると確信している」と、長年、中学受験に携わり、教育や育児、中学受験に関する多数の著書がある小川大介氏は言う。

「中学受験は親が頑張らなければいけない」という考え方に疑問を投げかける小川氏は、新刊『親も子も幸せになれる はじめての中学受験』(CCCメディアハウス)を上梓。これまで6000もの親子の中学受験を個別サポートしてきたという豊富な経験をもとに、受験校の選び方から塾との関わり方、子どもの伸ばし方、そして何より、幸せに中学受験を乗り切るための考え方までを、初めて受験を経験する親に向けてまとめた。

では、どうすれば喧嘩もなく幸せに中学受験で成功できるのか。

何度も話し合い、「家族同盟」で中学受験を乗り越える

親世代が子どものころは、地元の公立中学に通い、高校に入るときに初めて「受験」を経験するというパターンが一般的だったのではないだろうか。しかし現在は、首都圏の一部の地域では4人に1人、学区によっては8割以上が中学受験をする時代になっている。子育ての選択の幅が広がっているのだ。

小川氏は、中学受験をすることを選んだのであれば、第一歩として、親である自分たちに目を向けることが必要だと言う。まずは、夫婦で「子育てビジョン」を確認する。「どんな子に育ってほしいか」という夫婦それぞれの考えを知り、すり合わせていくのだ。その作業には時間がかかるし、エネルギーも必要になるが、じっくりとお互いの意見を言い合える関係を築いていくことが大切だ。

もし、「中学受験をするか否か」の選択で夫婦の意見が食い違ったときは、どうしたらいいか。小川氏の経験上、中学受験は母親のほうが熱心であることが多いという。父親主導で中学受験をする家庭も増えているが、まだまだ少数派だ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中