中学受験で親子でも夫婦でも喧嘩せずに合格を勝ち取る方法
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<過酷な中学受験はつらくて当然? 6000もの親子をサポートしてきた中学受験のプロは、決してそうではないと言う。意見の食い違いの乗り越え方、相性による塾の選び方、勉強に集中する時間の活かし方......。幸せな中学受験のヒント>
「中学受験は、親の受験」という言葉がある。過酷と言われる中学受験の当事者は、まだまだ幼さが残る小学生。親が担う役割は大きいという意味だ。「自分が頑張らなければ、わが子は伸びない」という使命のもと、生活の管理や通塾、勉強のサポートなどに奮闘することになる。
その結果、子どもに無理に勉強を押しつけ、親子の仲が悪くなってしまう家庭や、受験をめぐる情報に気持ちをかき乱され、夫婦喧嘩を繰り返してしまう家庭が珍しくない。中学受験とは、子どもにとっても親にとっても、つらく苦しいもの。それを乗り越えた家庭だけが志望校合格というゴールに到達できる――。
本当にそうだろうか?
「中学受験で親子ともに幸せになれると確信している」と、長年、中学受験に携わり、教育や育児、中学受験に関する多数の著書がある小川大介氏は言う。
「中学受験は親が頑張らなければいけない」という考え方に疑問を投げかける小川氏は、新刊『親も子も幸せになれる はじめての中学受験』(CCCメディアハウス)を上梓。これまで6000もの親子の中学受験を個別サポートしてきたという豊富な経験をもとに、受験校の選び方から塾との関わり方、子どもの伸ばし方、そして何より、幸せに中学受験を乗り切るための考え方までを、初めて受験を経験する親に向けてまとめた。
では、どうすれば喧嘩もなく幸せに中学受験で成功できるのか。
何度も話し合い、「家族同盟」で中学受験を乗り越える
親世代が子どものころは、地元の公立中学に通い、高校に入るときに初めて「受験」を経験するというパターンが一般的だったのではないだろうか。しかし現在は、首都圏の一部の地域では4人に1人、学区によっては8割以上が中学受験をする時代になっている。子育ての選択の幅が広がっているのだ。
小川氏は、中学受験をすることを選んだのであれば、第一歩として、親である自分たちに目を向けることが必要だと言う。まずは、夫婦で「子育てビジョン」を確認する。「どんな子に育ってほしいか」という夫婦それぞれの考えを知り、すり合わせていくのだ。その作業には時間がかかるし、エネルギーも必要になるが、じっくりとお互いの意見を言い合える関係を築いていくことが大切だ。
もし、「中学受験をするか否か」の選択で夫婦の意見が食い違ったときは、どうしたらいいか。小川氏の経験上、中学受験は母親のほうが熱心であることが多いという。父親主導で中学受験をする家庭も増えているが、まだまだ少数派だ。