メンタリストDaiGoがなぜかオススメした1冊のアイデア本
邦訳版も初版は1988年で、日本で四半世紀にわたって売れ続けてきたロングセラーである。多くの広告クリエイター、あるいはアイデアの出し方を模索するあらゆる業種のビジネスパーソンに支持されており、累計30万部にも達している。
2017年に漫画化され、再評価されてブームとなった『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎・著)は1937年に初版が世に出た。2000年代に入って東京大学生協の書籍ランキングで1位になるなど話題を呼び、長く読み継がれている『思考の整理学』(外山滋比古・著)は1983年に刊行された。
よい本は長く売れる。古典回帰も一部で言われるなか、『アイデアのつくり方』はこれらの本と比べても遜色がないと言えるのではないか。
この本は時代が変わっても古びない、発想術のエッセンスを凝縮させた1冊だが、DaiGo氏が言うように、読みやすさも人気の理由かもしれない。わずか104ページという薄い本で、しかもそのうち26ページが、科学雑誌『Newton』初代編集長で東大名誉教授の故・竹内均氏による解説である。
その凝縮されたエッセンスのさらにごく一部をここで紹介しておくと、著者はこう書いている。
アイデア作成の基礎となる一般的原理については大切なことが二つあるように思われる。
そのうちの一つには既にパレートの引用のところで触れておいた。即ち、アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもないということである。
(中略)
関連する第二の大切な原理というのは、既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きいということである。
(27~28ページより)
この一般的原理が、過去80年間、世界のビジネスパーソン(や、モテたい男性たち)を導いてきた。今も有効な原理であることは、DaiGo氏が紹介する通りだ。
『アイデアのつくり方』
ジェームス・W・ヤング 著
今井茂雄 訳
竹内 均 解説
CCCメディアハウス
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※9月24日号(9月18日発売)は、「日本と韓国:悪いのはどちらか」特集。終わりなき争いを続ける日本と韓国――。コロンビア大学のキャロル・グラック教授(歴史学)が過去を政治の道具にする「記憶の政治」の愚を論じ、日本で生まれ育った元「朝鮮」籍の映画監督、ヤン ヨンヒは「私にとって韓国は長年『最も遠い国』だった」と題するルポを寄稿。泥沼の関係に陥った本当の原因とその「出口」を考える特集です。