最新記事

対談

学生はバイトするな、お金のために時間を犠牲にするな【箕輪×正田】

2018年2月21日(水)18時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

正田 確かに、面白くないとお金って集まらない。

箕輪 事業計画書を見て「儲かりそうだな」と思っても、面白くなかったら、お金を出したいとは思わない。実は編集者も同じで、ハッタリをかます力というのがあります。「普通に考えるとこの本は初版1万部だけど、箕輪がこんなにいいって言うならお祭り騒ぎになるだろう、じゃあ3万部刷っておくか」と思わせる、みたいな。

正田 そうですね。事業の内容って、正直、ベンチャーキャピタルも投資家もよく分かってないんです。

箕輪 へええ!

正田 例えば、(決済代行サービスなどを手掛ける)メタップスが何をやろうとしているかとか、分かっていないと思います。メルカリの山田進太郎さんがメルカリをやると言ったときも、「ヤフオクと何が違うの?」と思いながら、それでもお金を出している。それは、この人なら何かやってくれるだろうと思っているからです。

箕輪 まさに人の魅力ですね。

正田 逆に言うと、そこが僕の今の弱みでもあるんです(笑)。僕は人にお金を出してもらったことがない。投資家と同じ目線で話すから、可愛げがないんですよ。代わりに、困ったらお金で解決するっていう癖が身についています。

箕輪 「親を見て自分の大きさが決まる」というのもありますよね。自分のスケールは、社長あるいは上司で決まるといってもいい。起業家になると起業家とばっかりつるむじゃないですか。だから自然と話のスケールがでかくなるし、金も度胸もでかくなる。

でも、その辺の大企業に就職すると、上も小さいから小さくまとまるじゃないですか。資料のちょっとしたミスでネチネチ叱られたりするわけだから。僕も、見城さんを見ているおかげで、サラリーマンだけどでかくいられるというのはあります。見城さんが"張りまくる"姿を見ているから。

正田 僕が最初に起業したのは『金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房)を読んだのがきっかけ。僕が通っていた中高一貫校は、上場企業の社長の息子が多かった。「うちの親は貧乏父さんだな」と思ったんです。じゃあ、自分の「金持ち父さん」を探さないといけないと思って、そこで思考回路が変わったのかもしれません。

サラリーマンがダメだという気はないですよ。「親の会社が倒産した」という友人も多かったですが、うちの親は破産もせずに働き続けました。どちらが儲かったかというと、うちの親かもしれないんです。でもやっぱり、自分の「金持ち父さん」を探す体験をしたのは、大きい体験だったと思います。

お金よりも時間という価値観

箕輪 今回の本を読んでも分かりますが、正田さんのお金の考え方が普通の人と違うのは、いい意味でお金を道具として捉えているところですね。「お金で解決するならこれほどいいことはない」という。

こういう話をすると、「お金に汚い」みたいな話に聞こえる人もいるかもしれないけど、ちゃんと解析すると、まったくお金に執着してないですよね、正田さんは。会社をサクっと作ってサクっと売るのがいいんだ、という考えもそことつながっている。

何よりも、自分の人生や自分のやりたいことが大事、ということですよね。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中