最新記事
ビジネス書

仲間と学びで、未来を拓く...「仲間」を重視する、人事のための「人事図書館」が話題を集める理由とは?

2024年6月20日(木)19時24分
flier編集部

東京・人形町の人事図書館

スノーピークさんのまるで本物のような焚火台が置かれており、リラックスして話せる

人事図書館が「学び」より「仲間」を重視した理由

──改めて人事図書館のコンセプトを教えていただけますか。

人事図書館のタグラインは「仲間と学びで、未来を拓く」。図書館なので「学び」が先にきそうですが、「仲間」を先にしたのは理由があります。いくら学びがあっても仲間がいないと前に進みにくいけれど、仲間がいれば何とかなる、と考えているためです。

人事図書館の特徴の1つは、「みんなで知恵を出し合ってつくっている」という点です。毎週の利用者アンケートでいただいた改善点について、スタッフ全員でオープンに話し合います。

名刺交換や営業行為を禁止にして匿名制にしているのも、そのほうが、利用者が相談や議論をしやすくなると考えたため。また、この4月から「ほしい本、何でもそろえます」といったキャンペーンを始めたのも、利用者の要望がもとになっています。

「人事図書館に一度来た方にまた来たいと思ってもらうには?」「まだ来たことがない方に行ってみたいと思ってもらうには?」。この2つの問いに集中しています。

──図書館では色々なイベントが開催されていますよね。

人事向けのイベントは基本的に無料で開催していただけるので、イベントを企画したい方にも活用してもらいやすいと思います。企画が増えると、利用者の学びの機会も増えますから。

また、本には「ここまで読んだ」「ここが学びになった」などと付箋を貼るのもOKとしています。他にその本を読んでいる方の息づかいがわかるし、読書のきっかけが増えると考えているんです。

東京・人形町の人事図書館

蔵書の3分の1は吉田さんの本、残り3分の1が寄贈された本、そして残りが全体のバランスを見ながら買いそろえた本だという

──利用者からの反響で印象的なものはありましたか。

みなさん、スタッフや利用者同士で交流ができると喜んでいらっしゃるようです。初対面で他の方に話しかけるのは緊張すると思うので、もっと話しかけるきっかけを増やしていきたいですね。初めて利用した方だけのイベントを企画したら良い反響がありました。

「ここに来るといいことが起こる」という体験を増やしたい

──人事図書館の今後の構想はどのようなものでしょうか。

まずは利用した方々がどんどんつながって、「ここに来るといいことが起こる」という体験をもっと増やしたいですね。コミュニティーとして、ここでのつながりから面白い企画や体験が生まれていくような仕掛けをしていきたいと考えています。

また、イベント開催中も他の方が落ち着いて本を読める空間もつくれるように、ゆくゆくはスペースを現状の4倍くらいにできればいいですね。ここ人形町は地名に「人」という漢字が入っているので思い入れがあります。この地で根を張りながら、東京の西側や大阪、名古屋、札幌、福岡にも広げてほしいという声があるので、拠点をつくっていけたらいいなと考えています。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英も「貯蓄から投資へ」、非課税預金型口座の上限額引

ワールド

来年のG20サミット、南ア招待しないとトランプ氏 

ビジネス

米ホワイトハウス付近で銃撃、州兵2人重体 当局はテ

ワールド

トランプ氏、高市氏に日中関係の状況悪化望まずと伝達
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中