最新記事
ビジネス

「幸福度が高く、成果も出せるチーム」は、何が違うのか? ポーラ幸せ研究所が見つけた「7か条」

2024年4月18日(木)17時34分
flier編集部

newsweekjp_20240416101401.jpg

社会に対してなら、より視界の開けたアウトプットが求められるし、幸せについて考える集団がいてもいいのではないか。そう話すと、取締役会の参加者たちも「たしかにそうだね」と納得してくれました。

この例のように、企業理念に紐づけて、幸せについて考えることの意義を経営層に伝えていくことで、理解してくれる人が増えていくのではないでしょうか。

「他責思考」を全否定してくれた、茨木のり子の詩集

──及川さんの人生やキャリアに影響を与えた本は何でしたか。ご自身に与えた影響とともにお聞かせいただけると幸いです。

人生に影響を与えたバイブルは、茨木のり子さんの詩集『おんなのことば』です。手に取ったきっかけは、30代の頃のマネジメント研修ですすめられたこと。子育てに追われていた時期で、詩集なら読めるかなと手に取ったら、「自分の感受性くらい」という詩に叱咤された。「初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな そもそもが ひよわな志にすぎなかった」「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」。こうした言葉が、当時忙しさを言い訳にしていた自分にズシリときたんです。まさに他責思考を否定してくれましたね。この詩集は好きすぎて、色々な人にプレゼントしているので、10冊くらいストックしています。

2冊目は、精神分析学者のフランクルが「人生を肯定する」ことを訴えた『それでも人生にイエスと言う』。40代の壁にぶつかっていたときに、フランクルの『夜と霧』を読んで感動し、この講演集にも手を伸ばしました。

印象的だったのは、「人生に意味を問うのではなく、人生の意味に応えるような生き方をしなさい」という示唆でした。仕事も同じで、意味をつくらないといけないなと。もしも労働者が「会社のために自分の時間を使っている」という発想でいたら、まるで奴隷のようになってしまう。一方、「企業理念を実現するために、あなたは何をしますか?」と問われているのなら、仲間と手を取り合ってその実現のために働いていると思える。すると労働者は奴隷ではなく、社会的責任を果たす存在になる。そんな気づきをくれた一冊です。

人生を変えた本の3冊目は、前野隆司先生の『幸せのメカニズム』。この本のおかげで、持続的な幸福感を高める「幸せの4つの因子」の考え方に出合い、ポーラ幸せ研究所の設立につながりました。

幸せのメカニズム
 著者:前野隆司
 出版社:講談社
 要約を読む

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB、利下げ急がず 緩和終了との主張も=10月理

ワールド

米ウ協議の和平案、合意の基礎も ウ軍撤退なければ戦

ワールド

香港の大規模住宅火災、ほぼ鎮圧 依然多くの不明者

ビジネス

英財務相、増税巡る批判に反論 野党は福祉支出拡大を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 9
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 10
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中