肉体を鍛えるアスリートのように「脳」も鍛えられる...AI時代に重要となるブレイン・ワークアウトとは?

2023年11月9日(木)19時33分
flier編集部

そして、印刷革命によって書物が普及し生まれたのが「読書」。本と向き合い、深く長い思考を培うモードです。最後の「デジタル」は、デジタルツールを活用してアウトプットの可能性を広げるモードのことです。

本書では、各モードの特徴と、そのトレーニングメニューや先人たちの実践例をまとめました。たとえば、睡眠モードなら「深い睡眠で記憶を固定化し、浅い睡眠で感情を整理する」、読書モードなら「紙の本に徹底的に書き込むことで著者と対話する」といった具合です。脳を鍛えることでより善く生きられる。そんなメッセージをこめた本書は、「人間の知的生産」に関する長年の知的好奇心の集大成といえます。

BRAIN WORKOUT
 ブレイン・ワークアウト

 著者:安川新一郎
 出版社:KADOKAWA
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

──安川さんが知的生産や人間特有の知性に着目したのはどのような背景からでしょうか?

野中郁次郎さんが『知識創造企業』で語っていたように、知識が新たな価値を生む社会になって数十年経っています。また、知的生産のなかでも、ロジックやデータより、センスやストーリーのように定量化できないもの、幅広い教養が必要になるという言説が増えてきました。こうしたことから知的生産に注目し、コロナが流行する約3年前から、知的生産に関するnoteを書き留めていきました。

参考にしたのは、知的生産のバイブルとして長く読み継がれている梅棹忠夫さんの『知的生産の技術』や、外山滋比古さんの『思考の整理学』。いずれも情報化社会における「頭の使い方」に関する洞察が実に普遍的で、いまも充分通じるものです。

いまはメモを管理するアプリやクラウドサービスも豊富なので、それらを活用して、「知的生産の技術」を現代風に試してきました。

知的生産の技術
 著者:梅棹忠夫
 出版社:岩波書店
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

思考の整理学
 著者:外山滋比古
 出版社:筑摩書房
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米ワーナー、パラマウントの買収案を拒否 ネトフリ合

ビジネス

FRBは利下げ余地ある、中立金利から0.5─1.0

ビジネス

企業は来年の物価上昇予測、関税なお最大の懸念=米地

ビジネス

独IFO業況指数、12月は予想外に低下 来年前半も
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中