最新記事
経営

「ちゃん付け・くん付け」「結婚は?」いまだ世代間ギャップもある!セクハラ発言一覧

2023年5月30日(火)10時45分
三原明日香 ※経営ノウハウの泉より転載

【3】「彼氏・彼女いるの?」「結婚しないの?」等プライベートを根掘り葉掘り聞く

「結婚しないの?」「子どもはまだなの?」といった質問は、デリケートな部分に触れるので気軽に答えたくない人もいます。見落としがちですが、女性から男性に対して「恋人はいるの?」等とプライベートの人付き合いや人間関係について触れるのも、相手が嫌がればセクハラになります。基本的にプライベートに立ち入らないようにしましょう。

【4】「あの人は二股をかけている」「淫乱」「ゲイだ」など性的なうわさ話を広げる

社内外で性的なうわさ話を広げられると、被害者は職場に居づらくなったり仕事が手につかなくなってしまったりします。また「あいつはゲイだ」というような本人の了解を得ずに性的指向や性同一性等を勝手に暴露するのはアウティングと呼ばれる行為で、パワハラにも該当します。

【5】「かわいいね」「スタイルがいいね」「セクシーだね」など容姿をほめる

容姿をほめているときにも、性的なニュアンスが伝わると相手を不快にさせてしまいます。「いいにおいがするね」「色気がある」「胸が大きい」といった言葉も、本人は好意を示しているつもりでも、相手は「セクハラだ」「バカにされている」と感じるかもしれません。「スカートが短いね」等、服装に言及することも職務上必要がある場合を除いて避けたほうがいいでしょう。

【6】「女のくせになまいきだ」「男のくせに意気地がない」と差別する

「女のくせに」「男のくせに」という言葉は、一昔前は当たり前に使われていたかもしれません。しかし現代では、性別や年齢を強調するような発言はセクハラにあたります。同様に女性であるという理由だけでお茶くみや掃除、飲み会でお酌をさせる行為も、セクハラまたはジェンダーハラスメントだとみなされます。

【7】「イライラしてるけど、生理中?」「更年期障害?」

体調不良の女性を見かけると「生理?(笑)」「更年期?」などとからかう人がいますが、これはセクハラにあたります。中高齢の男性社員に散見されますが、本人は冗談を言っているつもりでも、相手は屈辱感や怒りを覚え、職場の空気も悪くなります。

【8】「○○ちゃん付け」「○○くん付け」で呼ぶ

こちらもセクハラの認識に世代間のギャップがあるかもしれません。昔は女性社員に"ちゃん付け"をしたり、男性社員へ"くん付け"をしたりすることは一般的でした。しかし現代では"ちゃん付け""くん付け"は差別的なニュアンスがあるとされ、男女関わらず"さん付け"するのが当たり前になっています。

【9】飲み会で「俺の酒が飲めないの?」「お酒減ってないよ?」と飲酒を強要する

飲み会で性的な意図を持って、飲みたくないお酒を飲ませることはセクハラです。酔わせて抵抗できないのをいいことに、タクシーでホテルに連れ込むなどの重度のセクハラや犯罪につながるおそれがあるので絶対にやめさせましょう。性的な意図がない場合もアルハラ、パワハラになります。

【10】宴会で下ネタ、ひわいな話題で盛り上がる

会社関係の宴会でも、下世話な話題で盛り上がることがあります。その場では笑ってすごしていても、内心は不快で「居心地が悪い」と感じている人もいるかもしれません。アルコールが入ったとしても、仕事が絡む場では下世話な話はやめましょう。

以上が、職場でよくあるセクハラ発言です。大きく分けると「性的な話題」や「プライベートな話題」「男女差別がイメージされる発言」がNGだということがわかります。こういった発言は「このくらい大丈夫だろう」という勝手な憶測で行われていることが多く、本人に罪悪感や問題意識はほとんどありません。長く勤務している間に世間の常識が変わってきたということもあるでしょう。

セクハラがあったかどうかの判断は、基本的に「受け手が不快に感じるか否か」という主観に委ねられます。相手が不快に感じるかどうかは、お互いの信頼関係や性格、生い立ちなどが関係するため、個人差があります。一人ひとりが「君子危うきに近寄らず」の精神で、グレーゾーンには踏み込まないという意識を持つことが大切です。

(参考記事)どこからがハラスメント?正しい意味や定義、種類・パワハラ防止法対応まとめ【専門家が解説】

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏にクリスマスメッセージ=

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 3
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 4
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中