最新記事
マネー

37歳元工場勤務のYouTuberが5300万円貯金に成功した「とっておきの節約術」とは

2023年5月26日(金)12時00分
くらま(倹者の流儀/節約系ユーチューバー) *東洋経済オンラインからの転載

工場勤務での年収は約420万円。この就職を機に1人暮らしも始めた。

「1人暮らしで自炊生活になったので、コスパを考えて夜ご飯を冷凍パスタのみにしてみたりしましたが、肉も食べたいと思うようになるんですよね(笑)。そういうときは我慢せずに、メニューに取り入れています。節約は低いところから始めて、自分の中の許せるラインまで少しずつ上げていく感じで調整しています。

基本的にすべての支払いに関して、できる限り自分の無理のない範囲でそぎ落とす感覚が出来上がっていたので、少なくとも毎月の収入分よりも使うことは絶対にないです」

東海地方に暮らすかおるさんの家賃は5万3000円。地方で、節約家の家賃としては高く感じるかもしれないが、オンラインショップの副業の時間を作るために、会社からの近さ、商品をストックできる広さを重視して決めた。

「副業である程度稼げるようになっていたので、時間を重視するマインドに変化させました。このときから、時間イコールお金の感覚を持ち始めたのかなと思います」

工場勤務歴は7年、その間の副業・投資での含み益も加えて、資産は3700万円に到達した。

かおるさんは資産形成において、早い段階から貯金だけでなく投資にも取り組んできた。現在ある資産の5300万円のうち、約1000万は現金で保有して残りは投資している。

最初は個別株などもやっていたが、2015年くらいにインデックス投資を始めて以来インデックス投資が中心だ。つみたてNISAの非課税枠も活用しつつ、分散投資、長期運用を基本に運用している。

「私の場合、S&P500など全米株のインデックス投資を中心に運用しています。証券口座は手数料が安くポイント還元率の高いSBI証券をメインに使っています。個別株の売買など短期的な投資はほとんどやらずに、長期的に考えた資産運用を基本に今後もやっていくつもりです」

節約マスクかおるさん

年間収入が100万円あれば問題なく暮らしていけると話す(画像:『節約マスクのお金の話』より)

プライドを捨てて愚直に稼ぐことが大事

2021年に工場を退職して、現在はYouTubeを中心とした生活を送っている。YouTubeをはじめとする事業収入で約700万円の年収がある(※投資の含み益を除く)。だいぶ高収入となったが、年収が増えても、家賃を含む毎月の支出に変化はない。

「本当は5000万くらい貯金してから、サイドFIREのような感じで工場を辞めるつもりでした。ですが、できない人に怒鳴り散らす上司のパワハラやモラハラが横行している現場を見て、ストレスの限界が来て辞めました。この環境でこれ以上働き続けられないなと。

元々、いい会社に入って定年まで働く人生を歩める気がまったくなかったし、諦めていたところはあります。自分の性格やスキル、職歴を考えると、収入の高いところに就職するよりも、とにかくお金を貯めることでしか生きていく道はないと考えていました」

かおるさんの話を聞いていると「いい意味でプライドがない」と感じる。社会的地位や人からどう見られるかの"見栄"にどうしても人はこだわってしまうものだ。けれども、かおるさんはそういったものに流されないからこそ、自分基準で物事を判断できるし、自分ができないことに対する気持ちの切り替えが素早い。それが節約や貯金にもつながっているようだ。

「もちろん能力がある人はプライドを持ってやればいいと思います。能力がないと思う人は早めにプライドなんて捨てて、愚直に稼ぐことが大事なのかなと」


【かおるさん 1カ月の生活費内訳】

・家賃(駐車場代含む):5万3000円
・水道光熱費:1万5000円~2万円 
・食費:2万〜3万円 
・通信費(Wi-Fiと格安SIM):約5000円
・日用品、娯楽費:約7000円
・車関連費:約7000円
計 約11万〜12万円
※年間の貯蓄額は約200万円強(臨時収入額によって変動あり)
※年収420万円時代と現在700万円とで支出に変化なし

(構成:横田ちえ)

くらま

倹者の流儀/節約系ユーチューバー
ファイナンシャルプランナーの資格を有する会社員。東京都内で一人暮らしをしながら、社会人1年目で奨学金約300万円を完済。4年半で貯蓄2000万円を達成する。その貯蓄術やお金のノウハウを発信するYouTubeチャンネル「倹者の流儀」が大きな話題に。自身の成功・失敗体験を踏まえた本音の教訓と、分かりやすい解説で、多くの支持を得ている。著書に『すごい貯蓄 最速で1000万円貯めてFIREも目指せる!』(KADOKAWA)がある。


※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。元記事はこちら
toyokeizai_logo200.jpg




あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震、死者1700人・不明300人 イン

ビジネス

年内2回利下げが依然妥当、インフレ動向で自信は低下

ワールド

米国防長官「抑止を再構築」、中谷防衛相と会談 防衛

ビジネス

アラスカ州知事、アジア歴訪成果を政権に説明へ 天然
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 9
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 10
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中