最新記事
経営

地球と社会に優しい「ESG重視経営」とは?

BE A TRUE ESG COMPANY

2023年4月28日(金)18時56分
ブレンダン・P・キーガン(マーチャンツ・フリート社CEO)

実践する際に大切なこと

企業がESGを正しく実践していると評価されるためには、まず主張に具体性を持たせる必要がある。単に、実際の仕事ぶりに基づいて公平に給料を決めているというだけでなく、性別やその他の属性に基づく差別的な扱いが存在しないかを調べるべきだ。

それに加えて、自らに対して厳しい問いを投げかけることも怠ってはならない。以下のような問いを検討しよう。

「社内のジェンダー格差について調べたか」

「責任ある形で設備投資を行っているか」

「社員にどのような働き方を認めていて(オフィス勤務かリモート勤務かなど)、それがESGの価値観(通勤に伴う温室効果ガス排出を減らすことなど)に沿っているか」

「社内のあらゆるレベルで、ESGの価値観を自社の方針や手続きに織り込み済みか」

「ESG関連の取り組みについて、どのようなチェック&バランスや精査のプロセスを設けているか」

「わが社のESG関連の取り組みは、どのような評価を受けているか」

このような点検作業を行う際に、社外の専門家の力を借りることもできるが、自分で検討するほうが本気度の高いものになるだろう。誰かに指図されるのではなく、自社にとって本当に重要な目標を設定できるからだ。

ESGに関連して本当に成し遂げたい目標を1~3つ選び、それを実現するために努力することを公約しよう。

その目標は時間の経過とともに変わってもいい。実際、新型コロナのパンデミックの時期には、多くの企業が社員の精神の健康を守るために費やすリソースを増やした。

財務成績にも直結する

私自身は、ESGの価値観に従って行動することは正しいことだという信念を抱いている。しかし、倫理の問題を度外視しても、ESG関連の取り組みは財務成績の向上にもつながる。ESG重視の企業ほど、成功する確率が高いというデータがあるのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

加州知事、気候変動対策でトランプ米大統領を「愚か」

ビジネス

AMD、データセンター向け半導体市場が5年後1兆ド

ワールド

ロシア、外務報道官ら日本人30人を入国禁止 報道関

ワールド

米ユタ州裁判所、共和主導の選挙区割りを「党派的」と
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 7
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【銘柄】エヌビディアとの提携発表で株価が急騰...か…
  • 10
    【クイズ】韓国でGoogleマップが機能しない「意外な…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中