地球と社会に優しい「ESG重視経営」とは?
BE A TRUE ESG COMPANY
実践する際に大切なこと
企業がESGを正しく実践していると評価されるためには、まず主張に具体性を持たせる必要がある。単に、実際の仕事ぶりに基づいて公平に給料を決めているというだけでなく、性別やその他の属性に基づく差別的な扱いが存在しないかを調べるべきだ。
それに加えて、自らに対して厳しい問いを投げかけることも怠ってはならない。以下のような問いを検討しよう。
「社内のジェンダー格差について調べたか」
「責任ある形で設備投資を行っているか」
「社員にどのような働き方を認めていて(オフィス勤務かリモート勤務かなど)、それがESGの価値観(通勤に伴う温室効果ガス排出を減らすことなど)に沿っているか」
「社内のあらゆるレベルで、ESGの価値観を自社の方針や手続きに織り込み済みか」
「ESG関連の取り組みについて、どのようなチェック&バランスや精査のプロセスを設けているか」
「わが社のESG関連の取り組みは、どのような評価を受けているか」
このような点検作業を行う際に、社外の専門家の力を借りることもできるが、自分で検討するほうが本気度の高いものになるだろう。誰かに指図されるのではなく、自社にとって本当に重要な目標を設定できるからだ。
ESGに関連して本当に成し遂げたい目標を1~3つ選び、それを実現するために努力することを公約しよう。
その目標は時間の経過とともに変わってもいい。実際、新型コロナのパンデミックの時期には、多くの企業が社員の精神の健康を守るために費やすリソースを増やした。
財務成績にも直結する
私自身は、ESGの価値観に従って行動することは正しいことだという信念を抱いている。しかし、倫理の問題を度外視しても、ESG関連の取り組みは財務成績の向上にもつながる。ESG重視の企業ほど、成功する確率が高いというデータがあるのだ。