最新記事
経営者

中国では600万部突破──稲盛和夫の『生き方』が世界の人々の心を揺さぶった訳

2023年4月5日(水)18時21分
flier編集部
京セラ名誉会長時代の稲盛和夫氏

京セラ名誉会長時代の稲盛和夫氏(左、2000年1月)  SUSUMU TOSHIYUKI-Reuters

<「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023 ロングセラー賞」受賞を記念して、サンマーク出版の植木宣隆代表取締役社長(インタビュー当時)にインタビュー>

混迷の時代だからこそ「人間は何のために生きるのか」という根本的な問いが重要なのではないか。私たち人間が生きる意味は、心を高めること、魂を磨くことにあるのではないか──。

こんな問いかけから始まる稲盛和夫氏の著作『生き方』(サンマーク出版)は、2004年の刊行以来、多くの人の心を動かし続けています。刊行後10年をかけてミリオンセラーとなり、現在では150万部に達した本書は、国外でも広く愛され、中国では600万部を突破しています。時代も国も越えて読まれ続ける『生き方』は、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」でロングセラー賞を受賞しました。

『生き方』はどのようにして生まれたのか。小さな出版社であるサンマーク出版から、ベストセラーやロングセラーが生まれ、世界への広がりまでをも実現できるのはなぜか。「手のひらに、一冊のエネルギー。」を旗印に、これまで8冊のミリオンセラーを送り出してきた、株式会社サンマーク出版代表取締役社長(インタビュー当時)である植木宣隆氏に、『生き方』や本にかける思いを語っていただきました。
※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

◇ ◇ ◇


ロングセラーは、いつ読んでも何度読んでも新しい

──読者が選ぶビジネス書グランプリ2023、ロングセラー賞の受賞おめでとうございます! まずは受賞のご感想をお聞かせください。

非常に光栄なことです。よく「ベストセラー」が話題にのぼり、書籍は絶えず部数の話をされるものですが、どのくらいの期間読まれたかは案外見逃されやすいのかもしれません。長く付き合った人は裏切らないというのと同じで、長く読み継がれた本は裏切らないものだと思います。「ロングセラー」は「本物」の同義語なのではないかと。

不思議なことに、ロングセラーになっているものは古びないんですよね。私自身、ドラッカーの『経営者の条件』を何度も読んでいるのですが、出版されてから60年近く経っている今読んでも全然古びていないんですよ。それに、経営者になって最初の年に読んだとき、5年、10年、20年経ったときとでは、気づきを得られるページが違っていて、その時々で新しい読み方ができます。社会や人のあり方万般について語り、その本質を射抜いている本だからこそ、人の心の本質的な部分を揺さぶることができるのではないでしょうか。

こうしてロングセラー賞をいただき、『生き方』がそうした「ロングセラー」になりつつあるという保証のようなものを頂戴したような気持ちで、大変ありがたく思っています。

230331fl_ipi01.jpg

生き方
 著者:稲盛和夫
 出版社:サンマーク出版
 要約を読む
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国万科の元建て社債が過去最安値、売買停止に

ワールド

鳥インフルのパンデミック、コロナ禍より深刻な可能性

ワールド

印マヒンドラ&マヒンドラ、新型電動SUV発売 

ワールド

OPECプラス、第1四半期の生産量維持へ=関係筋
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中