最新記事

経営

中小企業診断士が教える「業績の良い会社」の3つの共通点

2022年11月30日(水)21時45分
伊東 健 ※経営ノウハウの泉より転載

■まずここから取り組もう

すぐに取り入れられる方法を2つ紹介したいと思います。

●その1.社員のスケジュールの共有

ITツール等を用いて社内のスケジュールを共有することで、何にどのくらい時間をかけているかということをお互いが知ることができます。自らの予定をオープンにすることで、良い意味で時間に対するプレッシャーがかかり時間内に業務を終えるという意識も高まるでしょう。

●その2.会議のルール化

より生産的な会議にするために、例えば以下のようなルールを設けます。

(1)事前に会議の目的とゴールを明確にする
(2)会議時間は30分までとし、時間がきたら必ず終了する
(3)時間までに何らかの結論を出す

このようなルールを設けることで、ダラダラ会議をなくしより生産的な会議をすることにつながるでしょう。

業績が良い会社の共通点3:社員が自らの裁量で業務を進められる

社員が自らの責任のもと意思決定し、業務を進められる環境がある会社は業績にも反映されていることが多いと感じます。もちろん、何でもかんでも社員が意思決定できるというわけではなく、ある一定の範囲の中で仕事を任され、責任も持った上で判断を下せるということです。

■なぜ自己裁量で仕事を進められると業績が良いのか?

新入社員の頃は右も左もわからず、上司から指示されたことを着実に業務遂行していくことが最も期待されることでしょう。しかし、だんだんと経験を積んでいく中で対応できる範囲が広がるとともに、より難しい仕事にもチャレンジできるようになっていくはずです。それに応じて、任せられる仕事が増え自ら判断できる余地が多くなっていけば、自然と仕事に対するやりがいも高まっていくと考えられます。社員それぞれがこのような働き方をしていれば、意思決定のスピードも速くなり結果として業績にも良い影響があるといえるでしょう。

■まずここから取り組もう

各社員の役割を明確にし、責任と権限を明確にすることから始めるとよいでしょう。これをまとめたものが"職務分掌"と呼ばれるもので、役職や職種ごとの役割や責任及び権限を明文化することをいいます。職務分掌を作成することで、各社員がやるべきではない不要な仕事を排除することにもつながるので、生産性向上につながるというメリットもあります。

今回は"オフィス環境・働き方"に焦点を当てて、業績が良い中小企業の共通点を説明していきました。取り入れられる考え方があれば、ぜひ実行に移していただきたいです。

【参考】*書類を探す時間は"1年で約80時間"書類探しを楽にするクリヤーホルダーファイリング「KaTaSu(カタス)」第3回【関西】働き方改革EXPOに出展 / コクヨ株式会社

2022.11.28

[執筆者]
伊東 健
K.I.パートナーズ株式会社 代表取締役
中小企業診断士 事業承継士
中小企業の後継者として12年間経営に携わる。その後、経営コンサルティング会社を経て独立。人事制度設計や管理会計制度構築など、組織人事や会計の分野において中小企業を専門に支援している。経営者のパートナーとして、従業員満足・顧客満足・高収益が好循環する会社づくりに貢献すべく日々活動している。

※当記事は「経営ノウハウの泉」の提供記事です
keieiknowhow_logo200.jpg

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米バークシャー、24年は3年連続最高益 日本の商社

ビジネス

ECB預金金利、夏までに2%へ引き下げも=仏中銀総

ビジネス

米石油・ガス掘削リグ稼働数、6月以来の高水準=ベー

ワールド

ローマ教皇の容体悪化、バチカン「危機的」と発表
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 5
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中