最新記事

経営

中小企業診断士が教える「業績の良い会社」の3つの共通点

2022年11月30日(水)21時45分
伊東 健 ※経営ノウハウの泉より転載

■まずここから取り組もう

職場環境の維持・改善を行う際に"5S"という考え方があります。これは、"整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)"の5つの活動のことであり、職場において徹底すべき事項を指します。この"5S"を実施する際に、まず整理・整頓の"2S"から始めることが重要であるという考え方があり、整理整頓は基本的かつ重要な活動だといえます。

以下の定義を参考に、まず実行することを考えるとよいでしょう。

整理:要るものと要らないものを明確にし、要らないものを処分すること
整頓:必要なものをいつでもすぐに取り出せるようにすること

ある会社では、会社の整理整頓に着手する際に以下のように取り組みました。

(1)まず整理整頓の対象となる場所や部屋を決める
(2)そこにあるものを一度すべて別の場所に移動する
(3)「直近1年間で使用したか?」という基準で残す・廃棄を決定
(4)基準に合致したものだけ元の場所に戻し、ラベル等を貼り取り出しやすいようにする

ポイントは何らかの基準に厳密に従って廃棄することです。「いつか使う可能性があるものは残す」という判断基準だと、整理はなかなか進みません。「これまで整理整頓がうまくいかなかった」という会社ほど、大胆な方法を採用することが必要です。

業績が良い会社の共通点2:メリハリをつけた働き方をしている

筆者の経験では、メリハリのある働き方が浸透している会社は業績が良い傾向にあるといえます。例えば、「会議の時間が短い」「無駄な残業をしない」というようなイメージです。こういう会社は共通して社員の挙動や言動にスピード感や活気があり、業績にも反映されていることが多いといえます。

■なぜメリハリのある働き方をしていると業績が良いのか?

さまざまな要因が考えられますが、一つ挙げるとすると「全体の8割の結果は、ある特定の2割の要素が生み出している」という『パレートの法則』があります。例えば、「全売上高の8割を上位2割の優良顧客が占めている」というイメージです。『パレートの法則』は『2:8の法則』とも呼ばれ、ビジネスのみならず自然現象や社会現象にも当てはまると言われている考え方です。

この法則は、働き方にも適用することができると考えます。つまり、あらゆる業務において"2割の時間で成果の大半を占める8割を生み出すことができる"という考え方です。もちろん、100%の成果を追い続けることは重要ですが、スピードが求められる現在において「いかに短い時間で成果を生み出していくか」という観点も非常に大事だといえるでしょう。

(参考記事)【まずはここから】予実管理表の重要性と作り方をわかりやすく解説【テンプレート付】

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ発表 初の実戦使用

ワールド

国際刑事裁判所、イスラエル首相らに逮捕状 戦争犯罪

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数

ビジネス

米国は以前よりインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 2
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 5
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 8
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 9
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 10
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中