最新記事

経営

なぜ失敗するのか? フリーアドレス、3つのメリットと3つのデメリット

2022年7月31日(日)16時00分
山口ヨシカズ ※経営ノウハウの泉より転載

どんなオフィスにしたい?目的別、検討のヒント

①部署間や社員間のコミュニケーションを活性化したい

部門間や社員間のコミュニケーションを活性化したい場合は、部門ごとに部屋を分けず、全員が1つの大部屋で業務をするようにしましょう。また、コミュニケーションを促すため、敷居や壁を取り去ったレイアウトが良いでしょう。他の部門の社員の顔が見えたほうがコミュニケーションも取りやすくなるからです。

また、オフィス内を移動する際に、あえて回遊する必要があるようなレイアウトにするのも1つの方法です。例えばアメリカのAppleの本社はあえてドーナツ型の社屋を建てたことで知られています。社屋の反対側に行くのにぐるっと遠回りしないといけないので不便ですが、その遠回りの過程でさまざまな部門の社員と顔を合わせ、自然なコミュニケーションが発生するのです。

フリーアドレス化の際にも、ただデスクを並べるのではなく、社員が動き回れるように導線設計を工夫しましょう。

②スペースを節約してオフィスを有効活用したい

スペースを節約してオフィスを有効活用したい場合は、在席率の調査をしましょう。在席率とは、デスクで業務している社員の割合です。例えば50人の社員がいるのに常時20人程度しかデスクに座っていないならば50席も用意する必要はありませんね。半分ぐらいに減らしても問題ないかもしれません。

また、社員の職種や働き方も重要な要素です。社員の働き方は以下の4パターンに分かれます。どのタイプの社員が多いかによって節約できるスペースが変わってきます。3と4の社員が多ければ多いほど広いオフィスはいらなくなります。

1. 完全に内勤で自身のデスクでしか仕事をしない
2. 完全に内勤だが会議室などをよく利用し、離席が多い
3. 営業など外回りが多い
4. 長期の出張や在宅勤務、テレワークなどでほとんど出社しない

さらに、スペースを節約するには、オフィス家具や収納用具を上手く活用しましょう。パーソナルロッカーの設置やキャスター付きで移動できるデスクなどがおすすめです。

③自律した働き方を促進したい

自律した働き方を促進したい場合は、画一的にデスクが並ぶようなオフィスではなく、様々な形態のデスクを作りましょう。例えば以下のようなデスクが挙げられます。

・集中できる1人ブース
・カフェのような大きなテーブル席
・立って仕事ができる立ち席
・体幹を鍛えながら仕事ができるバランスボール

このようにいろいろなデスクを用意すると、社員はどこで仕事をするのが効率的か自分で考えて選ぶようになります。その過程で自律性が養われるのです。

また、1箇所のオフィス内でのフリーアドレスだけではなく、テレワークやサテライトオフィス、短時間勤務やフレックスタイム制などを組み合わせて、働く時間や場所を社員が自由に選べるようにするのも自律性を養う1つの方法です。

まとめ:フリーアドレス導入チェックをやってみよう!

さらに自社に何が必要なのか明確にするために、本格的なフリーアドレス導入チェックをやってみましょう。フリーアドレスの準備状況・整備状況を確認するためのチェックリストです。1分程度のかんたんな入力で診断してくれるので、ぜひ試してみてください。

>>>最短1分で結果がわかる!無料フリーアドレス診断

2022.07.14

[執筆者]
山口ヨシカズ
大手精密機械メーカーのソフトウェアエンジニアを経てライターに転向。IT、DX、テクノロジー関連を中心に、金融、不動産、マーケティングなど幅広いジャンルで執筆している。大学院時代の専攻は電子情報システム工学。猫が好き。

※当記事は「経営ノウハウの泉」の提供記事です
keieiknowhow_logo200.jpg

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

英米、原子力協力協定に署名へ トランプ氏訪英にあわ

ビジネス

中国、2025年の自動車販売目標3230万台 業界

ワールド

トランプ氏、首都ワシントンに国家非常事態宣言と表明

ビジネス

米、中国企業2社に制裁 SMIC向けに半導体製造設
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    【動画あり】火星に古代生命が存在していた!? NAS…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中