なぜ失敗するのか? フリーアドレス、3つのメリットと3つのデメリット
どんなオフィスにしたい?目的別、検討のヒント
①部署間や社員間のコミュニケーションを活性化したい
部門間や社員間のコミュニケーションを活性化したい場合は、部門ごとに部屋を分けず、全員が1つの大部屋で業務をするようにしましょう。また、コミュニケーションを促すため、敷居や壁を取り去ったレイアウトが良いでしょう。他の部門の社員の顔が見えたほうがコミュニケーションも取りやすくなるからです。
また、オフィス内を移動する際に、あえて回遊する必要があるようなレイアウトにするのも1つの方法です。例えばアメリカのAppleの本社はあえてドーナツ型の社屋を建てたことで知られています。社屋の反対側に行くのにぐるっと遠回りしないといけないので不便ですが、その遠回りの過程でさまざまな部門の社員と顔を合わせ、自然なコミュニケーションが発生するのです。
フリーアドレス化の際にも、ただデスクを並べるのではなく、社員が動き回れるように導線設計を工夫しましょう。
②スペースを節約してオフィスを有効活用したい
スペースを節約してオフィスを有効活用したい場合は、在席率の調査をしましょう。在席率とは、デスクで業務している社員の割合です。例えば50人の社員がいるのに常時20人程度しかデスクに座っていないならば50席も用意する必要はありませんね。半分ぐらいに減らしても問題ないかもしれません。
また、社員の職種や働き方も重要な要素です。社員の働き方は以下の4パターンに分かれます。どのタイプの社員が多いかによって節約できるスペースが変わってきます。3と4の社員が多ければ多いほど広いオフィスはいらなくなります。
1. 完全に内勤で自身のデスクでしか仕事をしない
2. 完全に内勤だが会議室などをよく利用し、離席が多い
3. 営業など外回りが多い
4. 長期の出張や在宅勤務、テレワークなどでほとんど出社しない
さらに、スペースを節約するには、オフィス家具や収納用具を上手く活用しましょう。パーソナルロッカーの設置やキャスター付きで移動できるデスクなどがおすすめです。
③自律した働き方を促進したい
自律した働き方を促進したい場合は、画一的にデスクが並ぶようなオフィスではなく、様々な形態のデスクを作りましょう。例えば以下のようなデスクが挙げられます。
・集中できる1人ブース
・カフェのような大きなテーブル席
・立って仕事ができる立ち席
・体幹を鍛えながら仕事ができるバランスボール
このようにいろいろなデスクを用意すると、社員はどこで仕事をするのが効率的か自分で考えて選ぶようになります。その過程で自律性が養われるのです。
また、1箇所のオフィス内でのフリーアドレスだけではなく、テレワークやサテライトオフィス、短時間勤務やフレックスタイム制などを組み合わせて、働く時間や場所を社員が自由に選べるようにするのも自律性を養う1つの方法です。
まとめ:フリーアドレス導入チェックをやってみよう!
さらに自社に何が必要なのか明確にするために、本格的なフリーアドレス導入チェックをやってみましょう。フリーアドレスの準備状況・整備状況を確認するためのチェックリストです。1分程度のかんたんな入力で診断してくれるので、ぜひ試してみてください。
2022.07.14
[執筆者]
山口ヨシカズ
大手精密機械メーカーのソフトウェアエンジニアを経てライターに転向。IT、DX、テクノロジー関連を中心に、金融、不動産、マーケティングなど幅広いジャンルで執筆している。大学院時代の専攻は電子情報システム工学。猫が好き。