最新記事

経営

退職トラブルを防止する6つのポイント

2022年5月31日(火)17時25分
山本喜一 ※経営ノウハウの泉より転載

6. 安易に会社側から退職を働きかけない

退職トラブルで最も多いものは"解雇"や"退職勧奨"など会社の働きかけで労働者との契約を終了させるパターンです。

まず解雇と退職勧奨の違いについて説明います。どちらも会社の働きかけで労働者との契約を終了させることに変わりはありませんが、労働者が退職に同意をしているか否かという違いがあります。解雇に労働者の同意はなく、退職勧奨には労働者の同意があります。同意のある退職勧奨の方が解雇よりも後でトラブルになりにくいという特徴があります。

解雇でも退職勧奨でも会社の働きかけで労働者との契約を終了させることに変わりはないので、いずれのパターンでも労働者はメンツをつぶされた状態で、良い感情を持たずに退職していきます。良い感情を持たずに退職すると、後々トラブルになる可能性がでてきます。

このような事態を避けるために、安易に会社から退職を働きかけないことをおすすめします。人員を削減したい場合、まずは希望退職を実施することから始めると良いでしょう。

特定の人に退職してもらいたい場合、教育やチャンスを与えて、ご本人が納得し自発的な意思で退職届を提出する状態を目指しましょう。ポイントは自分の意思で退職してもらうことです。自分から退職することで退職者のメンツが保たれ、退職トラブルになる可能性が減ります。

今回、退職時のトラブルを防止するために気を付ける事を6つご紹介しました。

退職時にトラブルが起こってしまうと、在籍中の社員にまで影響を及ぼすことが少なくありません。改善できるポイントからひとつずつ改善していくことをおすすめします。

2020.08.26

[執筆者]
山本喜一
社会保険労務士法人日本人事 特定社会保険労務士、精神保健福祉士
大学院修了後、経済産業省所管の財団法人で、技術職として勤務、産業技術総合研究所との共同研究にも携わる。その後、法務部門の業務や労働組合役員も経験。退職後、社会保険労務士法人日本人事を設立。社外取締役として上場も経験。上場支援、メンタルヘルス不調者、問題社員対応などを得意とする。著書「労務管理の原則と例外 働き方改革関連法対応」新日本法規等。

※当記事は「経営ノウハウの泉」の提供記事です
keieiknowhow_logo200.jpg

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

FRB追加利下げは慎重に、金利「中立水準」に近づく

ビジネス

モルガンS、米株に強気予想 26年末のS&P500

ワールド

ウクライナ、仏戦闘機「ラファール」100機取得へ 

ビジネス

アマゾン、3年ぶり米ドル建て社債発行 120億ドル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 8
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 10
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中