最新記事

経営

退職トラブルを防止する6つのポイント

2022年5月31日(火)17時25分
山本喜一 ※経営ノウハウの泉より転載
退職者

shironagasukujira-iStock.

<退職する理由、残業代の不払い、引継ぎ、「退職勧奨」など、労務トラブルになるのを避けるために気を付けるべきことは>

労務トラブルが起こりやすい「退職」。

会社側はトラブルが起こらないように気を付けていても、退職する側としては一大決心であることが多く、ちょっと対応を間違えるだけで訴訟に発展するケースも少なくありません。

今回は、退職時に気をつけるべき事を6つ紹介します。

1. 退職する理由をしっかりと聞く

社員から退職の事実を告げられたら、まずは退職する理由をしっかりと聞きましょう。経営者の立場から考えると、社員から退職の事実を告げられることは複雑な思いがあるかもしれません。「これまで育ててきたのに......」「人員が減って仕事が回るのか......」とさまざまな不安があるかもしれませんが、それは一旦置いて、退職する理由をしっかりと聞きましょう。「話をしっかりと聞いてくれた」という事実が、会社への信頼となり、退職トラブルを防止します。

退職理由を聞くと「キャリアアップ」「家族の事情」など当たり障りのない回答が返ってくることが多いです。その回答が真実であるケースも多いですが、退職理由を鵜呑みにするのは危険です。

「家族の事情」など当たり障りのない退職理由を会社に伝えつつ、実は「深刻なセクシャルハラスメントがあった」というケースは珍しくないためです。ハラスメント行為等を受けて退職を決意した人の気持ちを想像してみてください。そのような人が会社に対して真実を告げるでしょうか? おそらく真実を伝えないでしょう。

「実はハラスメント行為があった」など重要事実を察知するためにも、本当の退職理由を聞き出すことは今後の会社運営にとって有益です。本当の退職理由を聞き出すには、まずはじっくりと部下の話を聞きましょう。

ただし、本当の退職理由を言いたくない場合もあるので、退職者が真実を話したくなさそうだと判断した場合、深追いは避けたほう無難です。

2. 残業代の不払いや金銭の精算のチェックする

未払い残業代など金銭トラブルは退職した後に増えます。在職中は会社との関係悪化を恐れて、残業代の不払いがあったとしても、請求してこないケースが大半です。退職すると会社との関係悪化を恐れる必要がなくなるため、金銭トラブルが増えます。退職時に金銭の不払いや未精算がないか確認をしましょう。

■残業代の不払いや金銭の精算のチェックポイント

・残業代
・積立金の返金(社内旅行費用やレクリエーション費用など)
・交通費など実費精算
・会社からの貸付金

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

外貨準備の運用担当者、FRBの独立性に懸念=UBS

ワールド

サウジ非石油部門PMI、6月は57.2 3カ月ぶり

ワールド

ロシア失業率、5月は過去最低の2.2% 予想下回る

ビジネス

日鉄、劣後ローンで8000億円調達 買収のつなぎ融
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索隊が発見した「衝撃の痕跡」
  • 3
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 4
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 5
    米軍が「米本土への前例なき脅威」と呼ぶ中国「ロケ…
  • 6
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 7
    熱中症対策の決定打が、どうして日本では普及しない…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 10
    「22歳のド素人」がテロ対策トップに...アメリカが「…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中