「社員が辞める前の兆候」を心理カウンセラーが解説、離職は見抜けるか?
TAGSTOCK1-iStock.
<退職意向を申し出た社員を引き留めるのは難しいが、事前に対策することはできるかもしれない>
「お金と労力をかけて優秀な人材を採用したのに、すぐに離職してしまう......」「数年かけて育成した社員が次々に辞めてしまう......」という悩みを抱えていませんか?
社員は退職に対する思いが固まってから退職意向を申し出る場合が多いので、引き留めることは難しいのが現実です。もし離職する社員には兆候がわかれば、それをふまえて事前に対策することができるかもしれません。そこで、本記事では離職する社員の兆候とその防止策についてご紹介します。
離職する社員に兆候はある?
多くの社員は、離職を検討したり、転職活動を進めている段階では、職場でそのことについて話さない場合が多いでしょう。会社に残る相手に対して、ネガティブな発言は避けたいと思っているからです。また、会社と社員は利害関係があるので、離職を考えていることが知れたら「不利な扱いをされるかもしれない」「居づらくなるかもしれない」と考える人もいるでしょう。
そのため、社員は転職先が決まるなど、離職を完全に決断するタイミングまでは平然を装って働いている場合が多いのです。
こうして、満を持して行われる社員からの退職の申し出ですが、経営者としては寝耳に水と感じる場合が多いのではないでしょうか? 経営者としては「不満があるなら言ってくれたらいいのに......」と思うかもしれませんが、労働者の立場からはなかなかそのようなことは期待できません。
では、早い段階で離職の可能性に気づく方法はあるのでしょうか? 心理カウンセラーとして筆者は、離職する社員にはその兆候はあると考えています。
社員の行動から離職の兆候を読み取ることで、離職の可能性に気づき、早めに対処することができるかもしれません。それでは、離職する社員の兆候を紹介しましょう。
離職する社員の兆候とは?
■1:以前と比べてパフォーマンスが落ちてきた
1つ目の兆候は、以前と比べて仕事のパフォーマンスが落ちてきたことです。
例えば営業職の社員であれば営業の数字が落ちてきたり、営業以外の社員であれば普段できている仕事がいつも以上に時間がかかったりなどです。
あるいはアウトプットの質が落ちたり、会議での発言の量や質が落ちている場合は、離職の兆候と捉えて良いでしょう。
会社を辞めるかどうか迷い、集中して仕事に打ち込めていない可能性が高いです。