最新記事

ビジネス

人を動かすには付きものの「4つの壁」と、その乗り越え方を知る

2022年4月5日(火)18時21分
flier編集部

── 本書でも「上司への承認依頼」がケーススタディ形式で紹介されていました。

はい。どんなケースかというのをちょっとご紹介しますね。

あなたの役職は法人営業部の課長。自社の業績を伸ばすために、部を挙げて新規開拓に注力せよと言われています。

あなたは、新規開拓が進まない原因を「営業担当がお客様の情報をろくに調べず、どんな会社にも同じトークをしているから」だと分析しています。「企業情報の詳細なリサーチが可能なサービス」(費用は年間60万円)を会社で導入すれば売上アップにつながるので、部長に社内稟議を上げてほしい──。そう考え、部長と30分打ち合わせすることになりました。

部長は、あなたとの関係は悪くありませんが、細かいところに気がつき突っ込んでくる性格。「営業は本人のマインドや取り組み姿勢がすべて」という持論の持ち主です。

── ありそうな場面です。高橋さんのメソッドなら、どのように部長とコミュニケーションをとりますか。

上司に提案を持っていく前に、まずは3つのポイントについて考えてみることをお勧めします。
(1)ゴール(どんな台詞がもらえたら、この場は成功なのか)
(2)壁(どんな疑問や反論が出てくることが予想されるのか)
(3)対応策(壁をどうやって乗り越えるか)

ここでは、考えられる限りの壁を洗い出しておくことが重要です。いざ上司に話を持っていったときに、想定していなかった突っ込みがあると、話が止まってしまいますから。

冒頭でご紹介した通り、「壁」には4種類あります。部長との関係は悪くないということですから、「関係性の壁」をのぞいた3つ、「情報整理の壁」「思い込みの壁」「損得勘定の壁」について考えておくといいでしょう。

── 4つの壁をフレームワークとして使って、入念に準備しておくんですね。

準備しておくと、安心してその場にのぞめます。

「壁」のことを考えておかないと「絶対にOKをもらうぞ」「自分がどんなに入念に検討したかアピールしよう」というふうになってしまうかもしれない。

でも上司が知りたいポイントはそこじゃないですよね。上司の立場に立って「こういうところが気になるのではないか」という目線で考えると、また違った準備ができるはずです。

オンライン時代だからこそ、同僚のことをもっと理解できる

── コロナ禍において、「関係性の壁」に悩む方も多いのではと思います。同僚の中には、まだ直接顔を合わせたことがない人がいたり......。

「在宅勤務になって、同僚のことを理解しづらくなった」という声も、たしかによく聞きます。しかしオフィスに出社していたときも、相手のことを完全に理解できていたとは言えないのではないでしょうか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中