最新記事

経営

後継者不足に陥る会社の3つの特徴 人事異動、評価、そして社長が愚痴

2022年2月25日(金)10時50分
吉田優一 ※経営ノウハウの泉より転載
悩む社長

kazuma seki-iStock.

<後継者不在を理由に廃業する会社が年々増えているが、そうした中小企業には共通点がある>

後継者不在を理由に廃業する会社が年々増えています。後継者を探すことは困難を伴い、困っている経営者も多いと聞きます。

そのような方にヒントになるように、本記事では後継者不足に陥る会社の特徴をお伝えします。

人事異動が少なく、ポジションが固定化されている

人事異動が少なくポジションが固定化されていると、人が育ちにくくなります。例えば、「役職が人を育てる」という言葉がありますが、人事異動が少ないと新しい役職に就く機会が減ることになります。担当業務が変わらないことも同様に、新しい業務に触れる機会が少なくなります。すなわち成長のチャンスが少ないということです。

高いポテンシャルを持っている人材、すなわち会社を経営できるようなポテンシャルを持っている人材であっても、ずっと同じポジションに就いていれば、そのポジションという枠組みの中でしか、物事を認識できなくなります。

仮に中間管理職をずっとやっているとしたら、中間管理職としての最適行動を繰り返し、考え方も凝り固まってしまうでしょう。そのような状況が続けば、会社を経営できるような高いポテンシャルを持っている人材であっても、実際に会社経営ができるようにはならないでしょう。

このような事態を防ぐために、組織内で役職や業務の固定化は防ぐべきです。役職が固定化されている組織の傾向として、新規事業に乗り出す機会が少ないというのがあります。新規事業など新しいことをやらない会社は役職が固定化され、いつも同じメンバーが同じことを繰り返します。後継者を育てるには、新しいことにチャレンジして、ポジションが固定化されることを防ぎましょう。

公正な評価がなく、良い人材が流出する

公正な評価ができてないと、離職率が高まります。特に優秀な人ほど、会社を早く去る傾向にあります。生産性の低い企業にありがちな間違った人材活用として、「優秀な人材に仕事を集中させる」というものがあります。そのような事態になると、優秀な人は周りの人よりもたくさん働かないと、仕事が終わらなくなります。

優秀な人に処遇で差をつけられれば不満は抑えられるかもしれません。しかし、生産性の低い企業だと処遇差があまりつけられないため、「適度にサボって手を抜き、あいつには本当に重要な仕事を任せられない」など評価されていない方が、仕事量が増えず得になることがあります。

そのような状況に置かれた優秀な人材は、「この会社で頑張っても報われない」と感じて、いつか会社を去ってしまうでしょう。良い人材が会社に残らなければ、会社の後継者も育たなくなります。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日銀の利上げ見送り、極めてリーズナブルな判断=片山

ビジネス

日産の今期2750億円の営業赤字に、米関税が負担 

ビジネス

米財務長官、年内再利下げに疑問示したFRBを批判 

ビジネス

米中貿易協定、早ければ来週にも署名=ベセント米財務
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 5
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 6
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 7
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中