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創造性は誰もが持つ力...発揮するために必要な「変異×適応」のプロセスとは

2021年12月29日(水)17時30分
flier編集部

現在は変化が速く、情報や知識の更新を急速に求められる時代であり、文明が「持続不可能」な時代でもあります。皆が創造性をアップデートし、持続不可能な時代を創造性によって超えていけるような世界に変えることが目標です。果てしないことを言っているように聞こえるかもしれませんが。

まだ2合目

── 受賞され、進化思考は日増しに広まっているように感じます。最終ゴールを10合目とすると、今は何合目でしょうか。

まだ2合目ですね。さまざまな企業の社員の方に、進化思考のワークショップを開くなどしているのですが、そうした機会をもっと広めていきたいですね。最近は高校生、さらには小学生向けに講演する機会も増えてきました。

進化思考が身につくと、自らの固定観念をリフレーミングできるようになり、それまでは思いもよらなかった、創造的な仮説に出会いやすくなるはずです。

── 次回作の構想をお教えください。

今は進化思考を図鑑のように仕立てたデザイン系の書籍の刊行に取り掛かっています。そのほか、子どもにもわかりやすいように、「13歳からの進化思考」とか「マンガで分かる進化思考」のようなライトな作品を手掛けていきたいですね。

創造性はほとんどの人がきちんと習ったことがないもの。だからこそ創造性を発揮するための「進化思考」は、一部の業界人に限らず、すべての人にとって必要な考え方だと信じています。「進化思考」を実践するうちに学ぶことが楽しくなるはずです。創造について学びたいと思う、それは人間の本能的な欲求ですから。


太刀川英輔(たちかわ えいすけ)

NOSIGNER代表 / JIDA(公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会)理事長 / 進化思考提唱者 / デザインストラテジスト /慶應義塾大学特別招聘准教授 / 2025大阪関西万博日本館基本構想クリエイター

希望ある未来をデザインし、創造性教育の更新を目指すデザインストラテジスト。

産学官の様々なセクターの中に変革者を育むため、生物の進化という自然現象から創造性の本質を学ぶ「進化思考」を提唱し、創造的な教育を普及させる活動を続ける。

プロダクト、グラフィック、建築などの高いデザインの表現力を活かし、SDGs、次世代エネルギー、地域活性などを扱う数々のプロジェクトで総合的な戦略を描く。グッドデザイン賞金賞、アジアデザイン賞大賞、ドイツデザイン賞金賞他、国内外を問わず100以上のデザイン賞を受賞し、DFAA(Design for Asia Awards)、WAF(World Architecture Festival)、グッドデザイン賞等の審査委員を歴任する。

主なプロジェクトに、OLIVE、東京防災、PANDAID、山本山、横浜DeNAベイスターズ、YOXO、2025大阪・関西万博日本館基本構想など。

著書の『進化思考』(海士の風、2021年)は生物学者・経済学者らが選ぶ日本を代表する学術賞「山本七平賞」を受賞。他に『デザインと革新』(パイ インターナショナル、2016年)がある。

flier編集部

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