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プレゼンで強調したい部分に赤を使うな 相手の目を引く「意外な色」とは?

2021年12月13日(月)16時15分
越川慎司(株式会社クロスリバー代表、株式会社キャスター執行役員) *PRESIDENT Onlineからの転載

資料の「差し戻し」は、作る側と見る側双方の生産性を落とします。じっくりと時間をかけて入念に作った資料が最後の最後でダメ出しされ、作り直すことになれば非効率的です。資料の作成者だけでなくダメ出しする側も、時間とエネルギーが奪われます。

進捗20%の段階で相手に意見を求めてみる

このような忖度資料と差し戻しを減らすのが「フィードフォワード」です。

成果を出し続ける活躍社員は、仕事の依頼を受けるときには念入りに相手の期待値を確認しておき、作成途中でチェックポイントを設けて提出先の意見を取り入れていました。

こうした定期的なチェックの応用として、「進捗20%の段階で提出先から意見を求める」というルールを取り決め、39社で行動実験しました。提出先の相手に、完成前の途中段階で意見をもらうようにすれば、「忖度資料と差し戻しを減らせるのではないか」という仮説を立ててのことでした。「差し戻し」は、作成者と提出先の思いや考えがズレることによって発生するものですから、そのズレを早い段階で見つけてしまおうと思ったわけです。

フィードバックは完成後に得るもので、完成前に意見を聞く行為を「フィードフォワード」と呼ぶことにしました。こうした実験についてもニックネームのように名前をつけると、組織内で浸透しやすくなります。

この実験では、完成度が20%の段階でまず見てもらう相手には、「2分程度の簡単な意見が欲しい」ということもお願いしておきました。

こうしたフィードフォワードを開始してみると、「良かれと思っていたことが本当に良かったのかを確認できた」「相手の思考や興味、関心がわかるようになった」と回答する参加者が続出しました。

差し戻しが74%減少した企業も

想定外だったのは、作成者よりも資料をレビューする側の満足度が高かったことです。「最初は面倒くさいと思ったが、資料を見る時間が全体的に短縮できた」「質の高い資料を作る人が増えた」というコメントが出てきたのです。

越川慎司『「普通」に見えるあの人がなぜすごい成果をあげるのか 17万人のAI分析でわかった新しい成功法則』ある物流企業では、フィードフォワード実験によって「差し戻しが74%減少した」という結果が出ました。「必要以上の品質になることも少なくなった」と答えた管理職も43%になっています。

フィードフォワードだけでなくフィードバックも取り入れます。資料を提出、もしくは説明した後に、感想や改善点などをもらうようにするのです。

フィードフォワードとフィードバックの徹底によって「資料作成が楽しくなった」と答えた参加者は81%になりました。

フィードフォワードには3つのベネフィットがあります。作業時間を減らせること、提出先の期待に応えやすくなること、作成者のモチベーションが上がることです。

越川慎司(こしかわ・しんじ)

株式会社クロスリバー代表、株式会社キャスター執行役員
元マイクロソフト役員。国内および外資系通信会社に勤務し、2005年に米マイクロソフト本社に入社。2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・完全リモートワーク・複業を実践、800社以上の働き方改革の実行支援やオンライン研修を提供。オンライン講座は約2万人が受講し満足度は98%を越える。著書に『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』、『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、近著に『「普通」に見えるあの人がなぜすごい成果をあげるのか 17万人のAI分析でわかった新しい成功法則』(KADOKAWA)がある。


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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