空前の人気、ライターの魅力は仕事とプライベートを「分けない」働き方
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<ライター志望者が急増している背景には、仕事とプライベートを「分けない」ことで相乗効果を生む、働き方への意識の変化がある>
ワーク・ライフ・バランスの考えが定着して久しい。とりわけ若い世代は仕事とプライベートを明確に分けたがると言われてきた。しかし、ここ数年、その傾向に異変が起きつつあるようだ。
「コロナ禍でリモートワークが進み、副業解禁の流れができてからは、『仕事とプライベートを切り分けたくない』と考える20代、30代が増えてきたように感じます」。そう語るのは、『書く仕事がしたい』(CCCメディアハウス)を上梓したばかりの佐藤友美さんだ。
佐藤さんはライター/コラムニストとしてフリーランスで働き、今年で21年目になる。新刊には、人気ライターの立場で、仕事を絶やさず稼ぎ続ける技術や、個人の人生にフィットする働き方について書いた。「文章力」以外の技術に焦点を当てた本書には、フリーランスで働くヒントが詰まっていると、ライター以外からも支持を集めている。
『書く仕事がしたい』の内容を紹介する連載の後編。仕事とプライベートをシームレスに行き来する「新しい働き方」について佐藤さんに語ってもらった。
※前編はこちら:自由で楽しそうだけど...「ライター」って実際、どれくらい稼げるの?
『書く仕事がしたい』
著者:佐藤友美
出版社:CCCメディアハウス
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「仕事とプライベートの両立」という言葉が持つ違和感
この1、2年、私のライター講座でも、「ライターになりたい」「書く仕事をしたい」という人が急増しました。とくに、コロナ禍で在宅ワークや副業解禁の流れが加速した今年は、どこのライター講座も空前の大盛況だったと聞きます。
「独立して、筆一本で生きていきたい」人から、「コロナで減った給料分を副業で稼ぎたい」という人まで、様々なタイプのライター希望者に講義をしてきましたが、最近ひとつ気になることがあります。それは、ライターを目指す人に代表されるフリーランスになりたい人たちに、「仕事とプライベートを分けずに生きていきたい」という傾向が強くなったことです。
以前、私がライター講座で聞かれる質問のナンバーワンは、「仕事とプライベートをどう両立していますか?」でした。そこには、「仕事もプライベートも両立せねばならない」といったニュアンスがありました。
「両立」という言葉には、「両方立てるのは難しい」という前提があったし、「仕事を取ればプライベートが犠牲になる。プライベートを優先すれば仕事が犠牲になる」といった感覚もあったように思います。