世界情勢と経済の今が分かる、教養としての「エネルギー」が学べる3冊
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<世界の政治だけでなく、経済、さらには家計にまで大きく影響するエネルギーと気候変動を理解するためにflier編集部がイチオシする3冊>
数多くの本を紹介し、またその内容を要約するサービスを展開している「flier」の編集部がオススメする「要約の達人が選ぶ、今月の編集部イチオシ!」コーナー。11月は「エネルギー・気候変動」に焦点を当てた3冊を紹介する(この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です)。
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今回ピックアップしたのは、年々関心が高まっているエネルギー・気候変動に関連したテーマの書籍です。
石油などのエネルギー資源に乏しい日本は、地球温暖化対策を背景に、化石燃料への依存率を低減させていく一方、再生可能エネルギーの導入を加速させていく姿勢を鮮明にしました。しかし世界を見ると、欧州を中心により思い切った方向へ舵を切っている国もあり、日本は諸外国の情勢と資源小国という国内事情を両にらみしながらの、難しいかじ取りを迫られています。
ビジネスはもちろん、食料品やガソリンの値上がりといった身近な変化とも深く関係するエネルギーのダイナミズムについて、3冊を通じて感じ取っていただければ幸いです。
ゼロからわかるカーボンニュートラル
『超入門カーボンニュートラル』
著者:夫馬賢治
出版社:講談社
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まずご紹介するのは地球温暖化問題の理解を助ける『超入門カーボンニュートラル』です。11月にCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)が英国で開かれ、話題となったのは記憶に新しいところですね。本書は、その会議場の内外で、陰に陽にうかがえた各国の思惑、背景を知るのに適した一冊です。
著書はサステナビリティ経営・ESG投資コンサルティング会社を2013年に創業し、代表を務める夫馬賢治氏。超入門と題した本書は、「カーボンニュートラルとは何か?」「温室効果ガスとは」といった初歩的なことからかみ砕いて説明されており、予備知識ゼロからでも読み始められます。しかしながら、地球温暖化をめぐる昨今の世界的な危機の問題点を、鋭く深く突いています。
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」という世界の科学者グループによる分析を通じ、温室効果ガス排出が地球温暖化の原因である確率は年々上がっている実情を紹介しつつ、私たちがとるべき対策として、気候変動を抑える「気候変動緩和」と、気候変動に耐えられる社会を作る「気候変動適応」の2つを挙げています。加えて、カーボンニュートラルを2050年に実現した世界の電源構成モデルなどを、国内外のシナリオを通じて示しており、現状分析から提言まで、幅広く扱っています。
カーボンニュートラルの達成には、再生可能エネルギーの推進が不可欠な一方、石炭などによる火力発電の割合はゼロに近づいていくと示す本書。併せて、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)の普及が効果的とも指摘しています。
こうした温暖化対策の現状や未来に関する理解を通じ、日本の課題や発揮できる強みがきっと見えてくるはずです。